1話 削除

今日で全て終わりだ。

やっと楽になれる。

今日、スマホのデータを全て削除した。


「おはよ!四葉!」

「おはよ!」

「今日暇?皆でカラオケ行かない?」

「ごめん、今日は用事があって!」

「りょーかーい!」

これが最後の嘘だ。


放課後~

ガチャ(屋上を開ける)

私は柵に登り空を見上げた。

まるで私を歓迎しているかのように空は綺麗だった。

私は空に向かおうとした。

その時、グラウンドから少女がこちらを見てこう言った。

「また明日!」

知らない子だった。

もしかしたら知り合いなのかもしれない。

そう思って考えている内に当たりは真っ暗になった。

はぁ。

大きなため息をつき、家に向かった。

今日は一段と空が綺麗に見えた。

「ただいま。」

「遅かったな。勉強しろよ。」

怒り気味で父はそう言った。

「…」

気付かれないようにしてたのに。

「返事は!」

「はい。」

私は急ぎ気味で階段を駆け上がった。

ボフンッ

勢い良くベットに飛び込んだ。

(あの子は一体誰なんだろう…)

さっきの事が頭から離れない。

(明日、探してみようかな。)

(リボンが青色だから同じ学年かな。)

あれこれ考えている内に私は深く眠りについた。


次の日~

(何組なんだろう…)

(見たことないけどすごく綺麗な子だった。)

次から次へと違う組を探して行く。

全クラス見たが、昨日の子は居ない。

はぁ。大きなため息をつき、また屋上へと駆け上がる。

先客がいた。

昨日の子が飛び込もうとしている。

(あ…)

「また明日!」

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