第62話 再会
あなたの背に
何も言わずに額をくっつけて
両手であなたを包んで
久しぶりに逢えた愛しい人の
感触を確める
ねえ
逢いたかった?
あなたも
あたしに逢いたかった?
口には出さずに
逢いたかったの
あたしは
いつもいつでも
あなたに逢いたかったのよ
口には出せずに
あなたは
暑いよ、と笑いながら
そのままにさせてくれる
離れていた間に
どうしようもなくあたしを覆った
不安な気持ちを
あなたが吸いとってくれているかのよう
あたしを覆っていたものが
晴れていく頃
あなたがゆっくりと振り返る
久しぶりなんだから顔を見せて、と
笑いながら
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