第3話 言の葉たちが、あたしを見ない夜

うまく言葉が出てこない

そんな夜に


あなたのことを

思い浮かべる


伝えたい思いが、ある

でも、今夜はそれがこの手につかめない


あたしの言葉が

あたしの中でだけ

生まれて、壊れて、消えていく


紡ぎようのない欠片たちは

時々、あたしを傷つける

見えない傷を、細く、でも深く


一眠りしたら、

また違うあたしが居るだろうか


あなたに見せても恥ずかしくない

そんなあたしに

なれるだろうか


つかめない言の葉たちは

あたしの周りで

ただ、浮かんでは消え

ゆらゆらとするだけで





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