第3話・第二の生徒相談『彼氏がイク時に言ってくれないです』
また、竜崎にそそのかされた悩みを抱えた生徒が、勇奈がいる保健室にやって来た。
「それで、あなたの悩みは何?」
今日、保健室を訪れたのは、真面目そうな女子生徒だった。
女子生徒が少し遠慮気味に、しゃべりはじめる。
「あのぅ……実は、今つきあっている彼氏がいるんですが……言ってくれないんです……いや、イクんですけれど、言ってくれないんです」
「???? 言っている意味が、わからないんだけれど」
「彼氏とは、まだ初エッチはしていません……学生で赤ちゃんできちゃったら困りますから、互いの体の触り合いとキスくらいで。
たまに下着を少しだけズリ上げたり、ズリ下げたりして胸やお尻を触らせてあげてイチャイチャする程度で、それ以上の行為は……まだ」
女子生徒の、おしゃべりは止まらない。
「初エッチは、卒業したらココでしょうと二人で決めた、ラベホの資金を二人でアルバイトをしてセッセッと貯めている最中なんです」
「まぁ、学生で赤ちゃん作らないように自粛しているのは、立派だけれど……それと、今回の相談の関連は?」
「あたし……彼氏が
「はぁぁぁ?」
「でも言ってくれないんです、イク時に言ってくれないんです……言って欲しいのに」
「だから、何を言ってくれないの?」
「アレが出る時に『イクぅぅぅ!』って彼の声が聞きたいんです」
「はぁぁぁぁぁ!?」
女子生徒は、うっとりした表情で高揚している。
(男が射精する時に、女みたいな喘ぎ声と顔で、『イクぅぅぅ!』ってのを聞きたいってコト? この子、変なアダルトコンテンツを、観たり読んだりしたんじゃ?)
「もう少しだけ、希望を言えば……彼氏が白目を剥いて意識を失う姿なんかも、見てみたいんです……先生、なんとかしてください」
「ち、ちょっと待って! 少し落ち着いて」
勇奈は、自分が動揺しているコトに気づき、呼吸を整える。
(落ち着け……素数を数えろ……別に今すぐ、どうこうって相談じゃないから……明日、アドバイスをすれば)
勇奈は、とりあえず女子生徒に解決方法を明日までに考えてくるから……と説得して、帰宅させた。
その夜──自分のアパートの部屋で、ラフなルームウェア姿で。
夕食の即席麺を、茹でていた金属鍋に入れたまま食べ終わった勇奈は、昼間受けた女子生徒の相談事の解決方法を考えた。
(どうすればいい……そう言えばパーティー仲間の、どんな動物とも頭を撫でられる状況まで持っていける、動物好きな調教戦士がペガサスを飼い馴らした時があったなぁ)
女勇者の勇奈が、飼い馴らしたペガサスの鼻先を撫でている、調教戦士に質問する。
「よく、撫でられても嫌がらないね……用心深いペガサスが?」
「ニンジンをエサに、時間をかけて徐々に馴らしていったからな……『条件反射』と『刷り込み』だ」
「条件反射と刷り込み?」
「最初は寄ってこなかったペガサスも、危害を与えないと知るまで根気よく、距離を縮めて最終的には手から直線エサを求めて食べるようになった……その時はまだ体に触れるだけで逃げていたが」
鼻先を撫でられて喜んでいる、ペガサスに戦士はニンジンを与える。
「少しづつ、食べている時に鼻先を撫でて。条件反射と刷り込みをしてきた……そのうちに、エサを与えなくても。撫でる仕種を見ただけで近づいてくるようになった」
「なるほどねぇ……『条件反射』と『刷り込み』かぁ」
前世の回想が終わった勇奈が、頭頂を掻きながら呟く。
「この方法で解決するかな」
次の日──保健室にやって来た、女子生徒に勇奈はアドバイスをした。
「まず、彼がマッ裸になってGをはじめたら、下着のパンツ……ショーツを見せてあげなさい、スカートをめくり上げて」
「見せるんですか?」
「最初は見せるだけで何もしなくていいから、彼が言わなくても。黙って最後まで見ていてあげて」
「はぁ?」
「彼があなたの部屋でGをするたびに、少しづつ見せている下着を下げていく……焦らすように少しづつね」
「それで、どうなるんですか?」
「恥ずかしい毛が少し見えそうな位置まで、下がった段階に到達したら。
こう言うの『恥毛が見たかったら、イク時に「イクぅぅぅ」っ言って』って、言ったらご褒美で毛を見せる……やがて【条件反射】と【刷り込み】で彼は自然と言うようになる……たぶん」
女子生徒が、明るい表情で勇奈に言った。
「わかりました、早速やってみます」
一ヶ月後──保健室にやって来た、勇奈がアドバイスをした女子生徒が笑顔で勇奈に言った。
「勇奈先生、ありがとうございます! 彼氏、パンツ見せなくてもイク時に「イクぅぅぅ」って言ってくれるようになりました! これで初エッチ楽しくできます!」
「そ、そう……良かったわね」
勇奈は、自分は保健室でいったい、生徒から何の相談を受けて解決している。
保健室の先生なのか……頭を抱えて悩んだ。
第二の生徒相談~おわり~
〔ネタ切れなので、これで完結〕
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