第531話 数十年ぶりだな…
出張先でコンビニに寄った。
トイレを借りるためだ、借りたからにはジュースくらい買うのだが…。
入ると片方は清掃中であり、もう片方は誰かが使っていた。
実の方が結構ギリだったのだ。
「急げこの野郎…これから新規の取引先と商談なんだぞこの野郎」
ドアが開いて爺ちゃんが出てきた。
落ち着いている風を装い、気持ちは先走り気味に入って用を足した。
間に合った…
『ふぉ~す・えくすぷろ~じょん』は回避したわけだ。
解らない人は『スリーピース』を読んでください。
しかし…紙がねぇ。
この絶望感…久しぶりだわ…神も仏もねぇ…。
「あのジジィ‼」
そうだ清掃していた店の人がいたはずだ。
小声で呼んでみる。
「すいませ~ん…」
ドアを内側からノックしてみる…。
誰もいねぇ…。
「どうする?」
「乾燥機能‼……付いてねぇ…」
ウォッシュレットのみ。
目の前にはトイレットペーパーの芯…もはや唯一神…。
とりあえず〇を一枚の紙にしてみた。
そのあと揉んでみた。
唯一神は2体いた。
「いけるはずだ‼」
ゴミ箱に使い終わった芯を入れトイレから出た。
手を洗っていると女性が入って行った。
「あっ‼」
教えようと思ったのだが急いでいたのか手遅れだった。
もはやソコに神はいねぇのだ…。
車に戻り、しばらく、その人がどんな顔をして出てくるか見てみようと思い待っていた。
出てきた女性が車に乗り込んだ。
もちろん買い物もせずに…。
一瞬、僕の方を見たのだが、なんか怒っているようにも見えたのは気のせいだったのかだろうか?
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