第519話 ファンタジー思考

 結構、性格的にドライだと思っている。

 親族の死も特に思う所はない。

 元々、親戚付き合いが薄いせいもあるのだが。


 そんな僕でも『クロさん』『チョビさん』には思い入れがあるようで、

 未だに視界の隅で何か動いたような気がすると振り向いたりする。

 いないことは理解できているのにm、時折小さく名を呟いたりする。

 いないのにいるような感覚で空を撫でたりする。


『死』というものは受け入れがたいものなのかもしれない。


 脳内では以前に描いた『猫が解決…』みたいな世界でコロコロと過ごしていてほしいとも思う。

 そこには昔一緒に暮らした犬たちや『黒猫姉さん』なんかもいたりして…。


 まぁ、そんなことを想像している僕の脳みそはファンタジー脳なんだろうな。

 だから死を認識できないのかもしれない。

 つまるところ、幼いのだ。

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