第387話 耳鼻科

 耳鼻科を受診した。

 子供の頃通っていたが…50歳を過ぎて行くことになろうとは…。

 相変わらず咳が止まらない桜雪。

 もう仕事にならない。


 電話で予約しようとしたが予約はいっぱいなので勝手に来て待っていろとのこと。

 耳鼻科って、そんなに混むとこだっけ?

 待つこと2時間…。

 まぁ、ここの先生、声がデカい。

 そして返事が『あいよ‼』

 なんかラーメン屋みたい。

 そして中待ちになると診察室の会話も聞こえるプライバシーの欠如。

 婆さん「鼻水が目から溢れる」

 そんな症状ある?

 先生も、「もう言ってることわかんないから大きい病院にいって検査してもらいなさい」

「いや行きません」

 なんで頑なに拒否してんの婆さん。

 子供は大体「耳垢溜まっているだけだよ」

 こんな会話が駄々洩れる。


 イライラしてくる。

 コッチは会社半日休むのにも苦労してるのに、こんな暇潰しの老人と不潔な子供のために2時間待ちなんだぞ。

 途中で怒鳴りそうになる。

「待ってるんですけど‼ 咳が今も止まんないの‼ 聴こえてないのかな? 耳垢詰まっているから聴こえませんか?」

 とにかく泣く子供、いつまでも終わらない老人の会話…。

 カオス‼

 耳鼻科カオス‼

 レントゲンを取ると蓄膿症は解るらしいので、ソレをお願いしたかったのだ…。

 しかし…「レントゲン取るから」

 僕の3番前の爺さんはレントゲンらしい。

「えっ? レントゲン壊れてんの? じゃあダメだ、今日は薬だけ出しとくから」

「オマエ…」

 僕は何しに来て何のために待っていたのか?

 というか自分のレントゲン壊れてるのしらない個人医院ある?


 なんかいっぱい薬貰ったけど…大丈夫か?

 どうも蓄膿症ではないようですぞ桜雪。


 待合室で『あいよ‼』を散々聞いていたせいか珍しく昼食を食べた。

 濃厚塩ラーメン大盛…。

 僕の鼻水より濃厚でした。

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