第356話 キータッチ

 考えてみれば英文タイプ部に所属していたこともある。

 ワープロも検定を持っている。

 パソコンも検定をいくつか持っている。

 でも…入力ミスは多いのだ。

『人間の証明』を『インゲンの照明』と打つなど序の口である。

 ときおり、メールを確認していて自分で笑う事もしばしば…。

 もしくは送る前で良かったと安堵することもある。


 コレを書いているときすら、幾度か打ち直すのだ。


 性格なのだろう、ひとつのことに集中しない。

 複数のナニカを同時に熟そうとする。


 家でもゲームしながらTV観て、映画も観る。

 熟すだけで得るものがない。

 仕事中も、手を動かしていつつ、頭では次のメールや資料を考えている。

 だから会議でも議論の2つくらい先の話をしてしまう。

 なんなら結論を出す。


 仕事が早いと言われるがそうでもないのだ。

 目先が疎かなのである。


 今日は『インゲンの照明』で独りでウケていた。

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