あなたのおかげで

何も気づかない夫は今まで通り

自分のやりたいように生活をしていました。


【でももうそのままでいてね】

と私は思っていたと思います。


まさか今から良き理想の夫になられても

私はあなたへの気持ちはなくなってしまっているから

逆に離婚できる要素がなくなるのは困るとまで思っていたかな。


ある日、夫の友人宅へ子供たちもつれてお邪魔しました。


片道30分の山道を越えて行くお家の周りは

24時間のコンビニもない山奥。


もちろん夫がお酒を飲むので

私はノンアルコールです。


みんなで鍋をつつき、お喋りに夢中になって

2時間ほどたった時


あれ?なんか顔が赤い?


長女の異変に気付いた私は

体温計を借り測ってみました。


38度


『熱が出てきた!帰ろう!』

と夫に言いました。


帰ってきた返事は

『お前が連れて帰ればいいじゃない』



『下の子達だけでも見ててくれる?救急で病院連れて行くから』

と言った私に夫は言いました。


『3人とも連れていけばいい』



さすがの友人たちも驚き、説得してくれましたが

夫は飲み足りないと言わんばかりに

色々理由をつけて応じませんでした。



私は笑顔で言いました。


『みんなありがとう!大丈夫よ、私3人連れて行くから夫の面倒お願いね』



良い奥さんだねと感心されましたが

そうではないのよ?



私が言った意味は、そのうち分かることになるでしょう。

と心の中で思いながら子供3人連れて友人宅を出ました。



幼い3人を連れ病院へ真夜中走るのは初めてではないし

1人は抱っこ紐でおんぶして、1人は前に抱っこして

1人は手を繋いで....



大変だろうが関係ない。

こうするしかないなら、仕方ない。



私はあなた(夫)なんかいなくてもやっていけるようになりました。

あなたのおかげで....

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