第6話 赤ちゃんの護衛
ほかに才能といえるかどうかわからないのは、王子、女神、天使、死神なんかもいた。
これは才能というよりは家柄とか種族に分類した方がいいような気がしている。
教室でクラス一同が集まると、先生が入ってきた。
この先生は外見からは若いのか、老いているのかよくわからなかった。
自分が人の年齢を外見で予想することが苦手ということもあるかもしれない。
先生らしい服装ではない上に、小学生なみに小さかった。
多分、身長は150センチいってないと思う。
先生らしい服装でないというのは、ピンクのフリルのついた膝上のワンピースを着ていた。
フリルのついた膝上までのハイソックスをはいていた。
髪型は、フィクションの登場人物を予想させるような縦ロールだった。
先生というよりは、幼い子供だった。
名前は、マエストロというみたいだ。
僕たちのクラスを担当することになった先生とやらが、偉そうな口調でこういったことを説明した。
学園の生徒には、赤ちゃんの護衛が任された。
赤ちゃんの名前は、バンビーノ。
男の子だった。
双子で生まれてきたらしいけど、その中の一人の護衛を任されている。
もう一人の赤ちゃんがどこにいるとかは、一切聞かされていない。
双子は姉と弟ということは、こいつは双子の弟ということだということは言われなくてもわかった。
生後は一ヶ月もたっていなくて、今月になって生まれたばかりと聞いた。
この先生の言いたいことと、やりたいことがよくわからなかった。
赤ちゃんに対して、実はいいイメージがなかった。
赤ちゃんは泣いて、喚いてのうるさい存在としか認識していなかった。
よくスーパーとかコンビニとかでも、赤ちゃんや小さな子供が大声で泣いたり、叫んだりすることがあって、うっとうしいかった。
「マエストロ」
一人の生徒が呼び捨てで読んだ。
「マエストロ先生です」
訂正しているけど、どこからどう見ても先生でなない気がしてくる。
先生を演じている子供としか思えなかった。
「先生じゃなくて、子供だろ」
誰なのかはわからないし、自己紹介もすんでいないため、名前もわからないし、誰がどの才能を持っているのかもわからない。
だけど、この発言を言った生徒に対して、心の中で「よく言った」と褒めた。
「これでも、先生なんです。
身長140センチの後半ですが、先生なんです。
まだ10代だけど、飛び級しての先生なんです。
大学も卒業しています。
教員免許も持っています。
先生の中では最年少なのは百も承知です」
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