第23話 お出掛けデート(ケダモノ♂vsケダモノ♀)②

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 目の前にいるこの可愛い生き物は何だ!?

 ごめん。別にマウントを取りに行っているわけでもなく、煽るつもりもない。

 ただ、ただ………本当に可愛い……。

 しかも、今、目の前で俺に身体を預けている美少女は、妖艶さも兼ね備わりつつあった。

 高校生ともなれば、藍那先輩のようにエロい女の人が出てきてもおかしくはない。

 久遠寺さんのように爆乳の持ち主が表れてもおかしくはない。

 目の前にいるのは、お世辞にもお胸は控えめな女の子だ。

 俺が友理奈の敏感なところを幾度と攻めた結果、彼女は従順にも俺に身を預け、そして甘い吐息を俺の目の前で漏らしつつ、こちらをじっとりとした瞳で見つめていた。

 こんなの男としては、喰わぬが恥だ。

 先ほどから、指攻めで友理奈をピクピクと小刻みに身を震わせ、そして唇を幾度と重ねることで、俺たちはカップルというものを堪能していた。

 唯一問題があるとするならば、ここが海辺の夕陽でオレンジ色に染まるロマンチックな場所だったということくらいだ。

 もちろん、周囲にも俺と同じようなことをしている者どもは多い。

 あちらこちらから、舌を絡め合うような音、そして、女が快感に打ち震えるときに出す甘い声がポツリ、ポツリと聞こえてくる。


「友理奈は可愛いな」

「も、もう……、こういうタイミングで言うのはなしよ」


 恥ずかしさか、それとも先ほどまでの攻めで興奮しているのか、顔をピンク色に染めて、視線を逸らして不満を言う友理奈。

 そういうツンなところも可愛い。

 かと、思いきや―――――、


「もう少しこうさせて欲しいの……」


 友理奈は俺に身を任せるように再び、俺にもたれかかる。

 ――――デレも可愛い……。

 当然、俺は誘惑に負けてしまい、指を動かしてしまう。

 だって、そこに可愛い友理奈の身体があるのだ。

 すでに下半身はトロットロになっていて、準備は出来上がりつつある。

 こんなに可愛い友理奈に、再び出会えるなんて思いもしなかった。


 前世で世界樹で誓い合った俺と友理奈はその後、別々の道を歩むことになった。

 俺は勇者としての道―――――。

 そして、友理奈は「闇之魔王ダークネス」として、勇者と敵対する道―――――。

 もちろん、そんな俺たちが出会ったところでお互いを認識することなどなかった。

 敵として、俺は魔王を倒すことだけを考えていた。

 アイツも俺のことを、自らの意思に反する邪魔な存在として見ていたのだろう。

 だが、俺は死ぬ間際に見えた―――――。

 崩れ落ちていく、形状崩壊が進む魔王の身体の奥底に、懐かしい少女の意識が見え隠れしているのを………。

 だが、俺はそれを知った瞬間に、息絶えていた。

 そして、俺の記憶は消えてしまった――――。

 前世の「ぜ」の字も覚えていないくらいに。


 俺は少し指を友理奈の身体に触れる。

 たった、それだけのことなのに、すでに幾度となく果てた身体は蜜が溢れ出し、感覚には普段の何倍もの気持ちよさを得ていた。

 彼女は身体の芯から、込み上げてくる感情を何とかして、俺に伝えようとしている。

 が、果てた身体は小刻みな痙攣が続いていて、上手く話せない。

 俺は局部を振れていた手をそっと離し、後ろから彼女を抱きしめる。

 俺の前でふんわりと黒髪が揺れる。

 それに合わせて、シャンプー、いや、リンスだろうか……、いい匂いが俺の鼻孔をくすぐる。

 それだけでも離したくなくなってしまう。

 そして、そのままそっとうなじに鼻を近づける。


「だ、ダメだよ……。今日もいっぱい動いたんだから、汗臭いって……」

「……………………」


 友理奈は俺に対して、身悶えして、何とか自身の体臭を匂わさないでおこうとする。

 が、俺も男だ。

 友理奈の華奢な身体は、俺の腕力から抜け出すことができない。


「全然、汗臭くないよ」

「ちょ、ちょっと!? 変態みたいよ! さすがにその行為は……」


 俺はそのまま彼女のうなじにそっとキスをする。そして、チロリと舌を出す。


「ひぅっ!?」


 彼女はうなじを舐められ、ビクリと身体を震わせる。

 顔だけ、俺の方に向け、


「本当に変態ね……。公衆の面前で女の子のうなじを舐めたり、何度も局部を触って来るなんて……」


 目いっぱいの抗議のつもりなんだろうが、彼女の顔はピンク色に染まったままだ。


「いいじゃん。二人きりでしたかったことなんだしな」

「――――――――!?」


 俺の一言に、さらに顔を真っ赤にしてしまう。

 もうリンゴだな、これは。それに頭のてっぺんからは湯気でも出て来そうな勢いだ。


「す、好きでも、やっていいことと悪いことがあるんだからね!」

「そうだな……。じゃあ、こんなのはどうだ?」


 そういうと、俺は左手で友理奈に目隠しをする。


「ちょ、ちょっと!? そ、そんなことして、またエッチなことしようとしているんじゃないんでしょうね!?」


 そういうこと公衆の面前で言っちゃうかな……。

 俺は少し苦笑いをしながら、右手でポケットから立方体のケースを取り出す。

 それをそっと開けて、彼女の目の前に添え、目隠しを外してやる。

 先ほどまでギャーギャーと反論していた美少女は急に大人しくなった。


「な、何よ、これ……」

「アクアマリンの指輪だよ」

「ど、どうして……」

「本当は友理奈の瞳と同じ色のルビーにしようかと思ったんだけど、その色、魔王になったときに変わったんだろ? 俺はその前の愛を誓い合ったときの瞳も見てきたからな」

「覚えていてくれたの?」

「もちろん。お前とキスするたびにどんどん記憶が戻ってくる。それだけじゃない。友理奈との過ごした小さなころの記憶も戻ってきているんだ」

「そうなんだ……」

「それで、これ、黒崎先生にもお願いして魔力を注ぎ込んでもらってあるんだ」

「………どうして?」

「ずっと黒崎先生は俺らの呪いのことを調べてくれているだろう?」

「うん」

「それで魔力によって、呪いを弱めることができるらしくて、色々と俺たちのために動いてくれているみたい。あ、でも、指輪は俺がちゃんと用意したものだからな! だから、これを受け取ってもらえるかな?」


 俺はそっと彼女に差し出すと、友理奈は瞳を潤ませながら、


「あ、当たり前じゃない! 当然、受け取るわよ! あなたからのプレゼントなんだから!」

「ふふふ……」

「な、何よ!」

「どうして、そこでもツンデレしちゃうんだよ」

「あ、いや……これはそうじゃないの……」

「素直になれば、もっと可愛いのに」


 俺はそう言うと彼女の右手薬指に指輪をはめてあげる。

 彼女はそっと目を細めて、その指輪を愛おしいそうに見つめる。


「ありがとう。祐二……。私もあなたのことが好き……」


 友理奈はそういうと、今度は彼女が俺を思いっきり抱きしめてきた。

 プレゼントを渡すタイミングは、バッチリだったみたいだ。俺はそう確信した。

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