#38

それは賑やかな園の一角での出来事だった。


食事を控えたお昼前。我々は皆それぞれ、開放的に自由な遊びに勤しんでいた。


他の人間と比較し内向的な自覚がある私は、インドア派の先頭を行く。

しかし孤独であるかと問われると、違うと答えるだろう。


周囲には積み木で建設を行ったり、おままごとで将来を夢想するもの達も一定数存在している。


それに、私のように空想を画像として描画することを手伝う同志もいるのだ。


そこで私は気付いてしまった。

昨日、描画に使用するツールの補充を怠ったことに。


これでは今日の進捗は壊滅的だ・・・。


だが悲嘆に暮れている暇はない。

即座に同志の存在を思い出し、彼に協力と援助を仰いだのだった。




















――クレヨンをくれよん

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