#10

調査隊の面々にも、苛立ちが募り始めていた。

それもそのはず、この発掘現場で作業を始めてからまる三ヶ月もの間、現物どころか手掛りさえも、なんの音沙汰もない。


季節も巡り始め、じっとりとした暑さが隊員達の体力と気力を削ぐ。


当の隊長は、ほんのりとした焦りは見えるものの、確固たる自信があるようだ。考

古学者としての勘か、彼のみぞ知る文献か。

一心不乱に広い発掘現場の中でも一点を集中して掘っていた。


カーンカーンカーン。


小気味よいリズムで岩を砕いている。


カーンカーンカッ。


いつもと違うツルハシの音に、手元の作業を止め振り返る。


「何か見つけましたか?」


「つ、ついにじゃ・・・ついに・・・」




















――靴下を発掘した

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