第6話 泣いたのに!

息子が通う幼稚園には希望者に給食があるので、お母さん的にはとっても助かる。


ただ、月末の金曜日だけは『お母さん弁当の日』と称して、全員お弁当を持参。毎回同じ様な弁当を作っても月に一回だけなので、息子にはとても喜ばれる。


いよいよ卒園間近となり2月末が最後のお弁当だと、ワタクシ心底ホッとした。


その日の朝、早起きして息子の好きなおかずばかりを厳選して弁当を作り、記念撮影。


『幼稚園最後のお弁当!よく出来ました!』


幼稚園ももう終わり・・・

娘と合わせて6年間弁当作り やり切った!エライぞワタクシ!


感傷的になってうっすら涙で締めくくった。





ところが、三月のはじめ、幼稚園から持ち帰ったお知らせを目にし、ワタクシ卒倒しそうになる。


『3月2日幼稚園の近くの山に遠足。弁当持参』

『3月9日園バスで○○施設に遠足。弁当持参』



卒園間近に遠足二回?二回? 何このスケジュール!

うそーん!最後の弁当、まだだったの~?




3月9日の朝

『今日の弁当は、本当に最後なんだろうね?』

めっちゃ疑いながらお弁当を息子に手渡した。


でも、勝手に思い込んでいたワタクシに文句を言っていく所は どこにも無ーい!


「あれ?何だろうこの感じ。前にもあったような、そうでないような。」


もしかしてだけど、ハッキリしないけれど、3年前、娘の時も全く同じ事をやって腹を立てたのではないかという疑い。


そんな気がしてきて、またモヤモヤする。


ー完ー








【m102→Ⅱ6】

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