死の谷・デスヴァレー
テレポートをして『デスヴァレー』に到着した。
転移した途端、灼熱地獄に見舞われ汗が噴きでた。な、なんて暑さだ。
周囲は砂丘に囲まれ、熱に帯びている。
「あ、暑いな……」
汗を拭いながら、スコルたちの方へ振り向くと――みんな服を脱ぎ始めていた。って、俺がいるのに!
スコルが「この暑さは堪えますね……」と言いながらも下着姿に。続いてハヴァマールも「うぅ、キツいのだ~…」と舌を出しながら、これまた下着姿に……まずい。
「まて、みんな! 脱ぐなッ! 目のやり場に困るって!」
他の冒険者もいるし、ジロジロ見られている。
ただ、ルドミラはいつも通りビキニアーマーなので涼しそうだ。
「ルドミラ、お前は平気なのか」
「もちろんです。私は軽装なので」
「ですよね。でも、日焼けとか」
「大丈夫です。このアイテムを使えば涼しくいられるので」
[
[効果]
高温の場所で使用すると、自身に快適な温度が付与される。また、状態異常の火傷・発火にならない。このアイテムは使用しても消滅しない。
「へえ、こんなアイテムがあるとはな」
「よかったら、みなさんどうぞ」
ルドミラはいくつもの『
「これは驚きました。涼しいですね」
顔を輝かせるストレルカ。彼女は貴族のドレスを着こんでいるから、特に暑かったはず。でも今は平気そうだ。
熱中症や脱水の心配もないようだし、これは素晴らしい。
「これで倒れることはない。みんな、ダンジョン前まで向かおう」
少し歩き、ギルドがたむろっている遺跡前まで足を運ぶ。そこには三組ほどのギルドが滞在中だった。どいつもこいつもレベルが高そうだ。
状況を注視していると、巨漢の男戦士が声を上げた。
「俺たち、アンナプルナは今から攻略に向かう! 悪いが先に行かせてもらうぞ」
アンナプルナ……どうやらギルド名らしい。
九人という大所帯でダンジョンに進入するようだ。
しかし、事態は急変した。
「ふざけんな! 僕達が先って話だろうが!」
「フランク、てめぇみたいな雑魚ギルドが幻影ダンジョンを攻略できるわけねぇだろ! すっこんでろ!」
「なんだと!! この幻影ダンジョンは、一筋縄じゃいかないんだぞ。協力し合わなきゃ死ぬぞ!!」
ギルドとギルドが衝突して言い合っていた。おいおい、ケンカするなよ。
仕方ないので俺は仲裁に入った。
「そこの二人、仲良くしなよ」
「あぁ!?」
「なんだお前は!」
二人とも俺を睨んでくる。
おっかないなぁ……。
けど、これしきで怯むような俺ではないのだ。
「俺はラスティ。この幻影ダンジョンで入手できるという『
そう伝えると言い合っていた男達が驚いていた。
「な、なんだと……」
「
すると、この場にいるギルド全員が武器を構えて俺たちを取り囲んできた。
え……
ええ!?
なにごとぉ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます