怪しい地下ダンジョン!?

 奥へ行けば行くほど、冷気が漂っているようで寒くなってきた。スコルも少しずつ震え、足を鈍らせていた。


「たいまつで手を温めるといいよ」

「は、はい……」


 向かい合わせになって、スコルの手を温める。白い息が出ている。どうやら、この先は冬のような寒さらしい。厚着する必要性が出てくるかも。


 再び歩きだし、ようやく奥へ。

 随分長いこと歩いていた気がする。


 奥は、広い空間になっていてドーム状になっていた。なるほど、グリンブルスティが巣にしていた場所だろう。俺が倒したから、もういないけど……うーん。それにしても、ダンジョンはどこだ?


 たいまつで周囲を確認する。

 なにもない。

 ゴツゴツした岩があるだけ。


「岩しかないですね」

「そうだな、スコル。でも、もし違和感があったら教えてくれ」

「はい……」


 自然にだろう、スコルは俺の左手を握った。まさか、手を繋がれるとは……けれど、今は恐怖が勝って、それどころじゃないな。俺もだけど。



「モンスターの気配はないな」

「今のところは何も感じません……あっ!」


 見渡している途中で、スコルが何かに気づいたらしい。


「どうした?」

「あの溝のあるところです。下に降りれるような階段がある気が……」

「か、階段って、そんな人工物が?」


 ダンジョンは、太古の大賢者が暇つぶしに作ったとか、世界聖書に書かれているらしい。親父から聞かされた事があった。本当にそうなら階段があるはず。


 行ってみると、そこには『地下階段』があった。明らかに人工物。魔法の痕跡を感じる。



「これは……ダンジョンだ」

「驚きました。モンスターは、ここから現れていたんですね」

「ああ、グリューンゴブリンの出どころだな。いや、それだけじゃない……様々なモンスターがここから出てくるんだ。でも、あのグリンブルスティが出てこれる大きさではないけど――まあ、突然変異とかなんだろうな」


「突然変異?」


「ああ、モンスターは稀に変異するんだ。それがボスモンスター化するようだ」

「お、お詳しいのですね、ラスティさん」

「俺は本好きだからな。無駄な知識の宝庫と呼ばれ、無能扱いされた皇子だぜ」

「いえ、そんな事ありません。わたしにとっては――はぅ!!」


 何かを言いかけてスコルは、顔を真っ赤に。たまにこうなるよな。


「え?」

「な、なんでもないんです!!」

「そ、そか……」



 階段を少し下りてみる事にした。

 危険は承知だが、未知数すぎて怖いな。

 たいまつをスコルに任せ、俺はゲイルチュールを構えた。向こうから、いつ敵が現れてもおかしくないからな。


 少しずつ降りていくと――


 なにか光が見えてきた。


 え……洞窟の中に光り?


 通ってきた道は、ずっと暗闇だったのに。この先には光があるのか? どうなっているんだ。気になってどんどん進むと、その先は……!



「ラスティさん、これは……」

「な、なんだあ、こりゃあ!」


 神殿のような空間が広がり、更に地下に続いているようだった。眼下には、斧を持ったオークが大量に生息していた。や、やばすぎるよ、これは。


 撤退だ!


 直ぐに踵を返し、戻っていく。

 走って走って、洞窟の出口を目指した。



「はぁ、はぁ……びっくりした!!」

「ラ、ラスティさん……息が、はぁ……」


 俺もスコルも息を切らす。

 あんなオークの大群を見たら、ビビるって。てか、ゴブリンだけじゃなかったのかよ、あの洞窟は! くそう、どうなっているんだ。一度、ハヴァマールに問い合わせるか。



「大至急で戻るぞ、スコル」

「りょ、了解です……」



 今日の成果はこんなところか。



 [無人島][Lv.18]

 [開発状況]

  沼 Lv.1

  小屋 Lv.1

  家 Lv.10

  湖 Lv.1

  キャンプファイヤー Lv.1

  温泉 Lv.2

  ワークテーブル Lv.1

  畑 Lv.1


 [防衛設備]

  トゲトゲバリケード×30


 [特殊設備]

  なし


 [所持アイテム]

  木材×2721

  石×1221

  土×27

  たいまつ×1

  鉄鉱石×67

  鉄×55

  黄金の毛×1

  剣(未鑑定)×2

  鈍器(未鑑定)×1


 [武器]

  +5ゲイルチュール


 [食料]

  サザエ×3

  イノシシの肉×11

  ラズベリー×94

  ココナツ×66

  シャーフ肉×6

  パン×6

  リンゴ×10

  バナナ×6

  赤ワイン×10

  塩×9

  胡椒×9

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