家 Lv.1

 島開発の『家』を選び、俺は材料の『木材100個』と『石100個』を消費。



 木材×163 → 木材×63

 石×221 → 石×121



 小屋よりも少し離れた広場を指定し、家を建てた。今回は十秒掛かった。そうか、材料が多いものだと時間が掛かるんだな。大した時間でもないけど。



「こ、これは……立派な家ですな」

「俺も驚いたよ、アルフレッド。これはハリボテでも何でもない、正真正銘の『家』だな」



 帝国の街並みあった一軒家だ。二階建ての木造住宅。小屋なんかよりも数倍大きく、広い。部屋もいくつかありそうだ。これはいい、小屋なんかよりも絶対に良い。


 そういえば、ハヴァマールの反応は……ん?



「…………(絶句)」



 なんか口を大きく開けて絶句していた。まさか、ここまでのモノが建つとは思わなかったのか。



「お~い、ハヴァマール」



 手を振って気づかせるが、ぜんぜん戻ってこない。少しするとハヴァマールはハッと気づいてワナワナ震えはじめた。



「な……なんじゃこりゃあああああああああああ…………!!!」



 うお、びびった。

 いきなり凄い声量だな。

 耳がキーンとしたよ。



「なんだこりゃって……お前がくれた能力だろうが。無人島開発スキルで『家』を作ったんだぞ。ほれ、詳細」


「しょ、詳細……?」



 [家][Lv.1]

 [開発]

 [効果]

  木造住宅を建てる。

  材料『木材100個』と『石100個』を消費する。このスキルは、1日に1度しか使用できないが、レベルアップする毎に作れる件数もアップする。最大レベルは『99』まで。

 『家』のレベルが高くなればなるほど特殊状態異常『風化』、『火災』、『台風』、『震災』の耐性がアップする。


  Lv.10でレンガの家になる。

  Lv.30で屋敷を作れる。

  Lv.50で城を作れる。

  Lv.99で城塞を作れる。



「これが『家』の詳細」

「な、なんと……そのスキルは『家』が建てられたのか」

「知らなかったのか?」

「先代が小屋や湖を作ったりする所は見た事がある。それ以上も出来たのだな」


 なんと、力を与えてくれた本人が最低限しか理解できていなかったようだ。なんだそりゃ、どうなっているんだ? あと先代って?


 けれど、おかげで俺は生き延びられているし、こんな立派な家もついに手に入れた。なんていうか……もう普通の暮らしは望めるな。



 さっそく中へ入ってみようとすると、スコルが帰ってきた。



「ただいまで~す! ラスティさん」

「よう、スコル。温泉どうだった?」


「最高に気持ち良かったです……! こんなにサッパリしたのはエルフの国ボロディンにあった温泉に入って以来ですよ~」


 なんと、エルフの国には温泉があるらしい。それは初耳というか意外だ。そうか、道理で肌のつやが良いと思った。スコルのスベスベ肌の秘密は温泉か。


 って、今はそんな場合ではない。それよりも家だ。



「スコル、家できたぞ」


 指をさすと、スコルは家に注目。今までなかった建物を認めると――あごを外しそうな勢いで驚き、飛び跳ねた。



「はい? 家ぇ~? ……って、なんですか、これええええええええええええええええ!!!」

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