洞窟ダンジョン?

 アルフレッドに『たいまつ』を任せた。ちゃんとしたアイテムのようで、その詳細を見て取れた。



 [たいまつ]

 [効果]

  明かりを灯すには『火』が必要。

  周囲を照らす。

  持続時間:1時間



 よし、これで先へ進める。

 先頭をアルフレッドに任せ、俺はその後ろを、更に後ろにスコルを歩かせた。未知の領域を歩くというのは、それだけで緊張感があるな。そのせいか、スコルが俺のそでを摘まむ。



「どうした、スコル」

「……こ、怖いんです」



 捨てられた子犬のように小刻みに震え、表情も不安でいっぱいだった。こうされると守ってあげたくなる。



「どうせなら抱きついてくれよ」

「なッ……!」



 スコルは顔を真っ赤にしてしまう。冗談で言ったつもりが、良い反応だな。もしかしたら、純情なのか。可愛いところもあるものだなと、俺もちょっと照れていると――前を歩くアルフレッドが足を止めた。



「どうした、アルフレッド」

「ラスティ様、この先に只ならぬ気配を感じます。これはモンスターの類で間違いないでしょう。ですが……」


「ですが?」


「これはあまりにおぞましい」



 どうして分かるんだと、俺は説明を求めた。するとアルフレッドには、モンスターの気配を感知できる高レベル冒険者的な能力スキルがあると判明した。何気に凄いな。



 [気配感知]

 [補助スキル]

 [効果]

  モンスターの気配を感知できる。スキルレベルによって感知できるモンスターの種類が変化する。また、有効範囲も広くなる。このスキルは、ボスモンスターにも有効。



 なるほどなあ、こりゃ便利だ。

 さすが聖騎士。

 俺ももっとスキルが欲しいところだが。



 とにかく、アルフレッドを下がらせた。スコルを守ってもらう。俺は先頭に立ち、出てくるであろうモンスターを迎え撃つ。



 ゆっくりと闇の中を進むと――




『――グルゥゥゥゥッ…………!!!』




 なんかヤバそうな唸り声が聞こえた。


 マジかよ!!


 本当にモンスターがいやがった。



 しかもかなり巨体デカイと見た。

 つまりなんだ、この『洞窟』はダンジョンではなく、モンスターの巣だったわけか! 驚いていると、奥からズシン、ズシンと足音が響く。



 やべぇ……なにか出てくるぞ。




「アルフレッド、スコル、下がれ!!」



「了解です、ラスティ様。参りましょう、スコル様」

「え、ええ……」



 二人とも引き返していく。俺はモンスターと対峙たいじ。てか、これはボスモンスターだろう。さすがの俺でも分かる。やがて鋭い眼光が現れた。赤くギラギラと光り、そのギョロっとした眼が俺を睨む。


 おっかねぇ……。足がガクガク震える。こんな巨大なのが無人島にんでいたとはな。大きな洞窟で良かった。なんとか戦える。けれど、これは勝てるのか……?



 まだ見えぬ全貌。

 正体不明のモンスター。



 コイツはいったい、何なんだ!!

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