家を作ろう
決まったところで小屋へ戻った。
「おぉ、ここがラスティ様の拠点でございますか。これほどの小屋を作られるとは感服致しました。このようなスキルがあったとは」
純粋に感心するアルフレッド。
だが、俺はたった今、重大な事を思い出した。……しまった、この小屋はあまりの狭さに
家ともなると建築には『木材100個』と『石100個』が必要となる。一気に十倍だ。かなりの量だが、元から木材を多く所持しているし、石の確保だけを考えれば良さそうだな。
「すまない、アルフレッド。今の小屋だとお前の寝床がない」
「なんと! それは困りましたな。では、私だけ野宿しましょう」
「そんな老人虐待みたいな真似ができるかってーの。そうだろう、スコル」
話を振るとスコルは、何かを頬張っていた。
「……(もにゅもにゅ)」
「おまっ! その口元についてるのラズベリーか。盗み食いするなっ」
「だ、だって……お腹空いていたんですもん」
さっきヒールして貰ったし、それなりに動いたから腹が減ったのか。そういえば、俺も小腹が空いたな。空腹は敵だ。やはり、食糧はもっと確保すべきだな。なら、担当を決めよう。
「俺は、無人島開発スキルで家を建てる。材料はあと石が30個ありゃいい。ゲイルチュールで回収してくる。その間に、スコルとアルフレッドは食糧調達な。今は衣食住を安定させるぞ」
「了解しました、ラスティさん。では、わたしはアルフレッドさんに護衛して貰いますよ!」
なるほどな。それは名案だ。スコルは、ヒールしか出来ないし、ひとりにさせるには不安がありすぎる。だが、アルフレッドが一緒なら心配はないだろう。彼は戦闘においても秀でている。もともとは『聖騎士』であり、最強の騎士と名高い存在だったとか。親父もその腕を認めていたようだ。
そんな最強の執事なら、スコルを任せられる。
「アルフレッド、スコルを頼むぞ」
「お任せください、ラスティ様。この命にかえてもスコル様をお守りましょう」
二人は食糧調達に森の奥へ向かった。俺は石を集める。石は地面に落ちている小石ではなく、岩でなければならない。それをゲイルチュールで砕いて初めて『石』としてアイテム化する。
面倒だが、俺は別ルートで森の奥へ向かう。ついでに『洞窟』でも発見できれば、ダンジョンもあるかもしれない。その場合、モンスターが生息しているだろうし、貴重なレアアイテムやら狙える可能性も出てくる。
その場合は一石二鳥。
そんなこんなで俺は、歩きまくって山に近い場所まで来た。ここまで来るとは岩肌も多く、石を削り取れるわけだ。よし、さっそく――ん?
よく見ると近くには大きな口を開ける洞窟があった。こ、これは『洞窟ダンジョン』か!?
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