高級食材が現れた!!
『いいか、ラスティ。ワークテーブルがあれば鉄を扱えるだけでなく、便利なモノも色々作れるのだ。例えば武器なら剣、槍、斧。装備品なら兜や鎧。便利なツールなら
それを聞いて驚いた。
便利すぎるだろう、ワークテーブル。ぜひ欲しいと思った。
「頼む、使い方を教えてくれ、ハヴァマール」
『なぁに簡単よ。無人島のレベルを『10』まで上げれば良い。すると、スキルに追加されるわけだ』
「なるほど、段階的に追加されるわけか」
『なので“ゲイルチュール”を使い、サクっと上げると良い』
「分かったよ。ありがとう」
『構わん。また気が向いたら話しかけるでな。それではラスティ、スコル、また会おう』
ハヴァマールの気配が消えた。
そうか、無人島開発を進めないとな。
「そういうわけだ、スコル」
「そ、そういうわけって……ラスティさんって、あの謎の声・ハヴァマールさんとお友達だったんですね。びっくりしましたよ」
「友達っていうか、恩人かな。おかげで今があるし、死なずに済んでる」
「ハヴァマールさんの正体が気にならないんですか?」
「気にならないと言えばウソになる。でもな、今はこの距離感が丁度良いんだ。まあ、そのうち向こうから顔を出してくるだろ。その時は改めて礼を言うつもりだよ」
当たり前の事を言ったつもりだが、スコルは困惑していた。そこ、なぜそんなギョッとしているんだよ。反応が違うだろう!
「ラスティさんって、たまに真面目ですよね」
「俺はいつでも真面目だよ!?」
◆
万能つるはし・ゲイルチュールを担ぎ、海の方へ向かう。これはスコルの提案だった。
「で、海の方に来てみたが」
「ええ、ラスティさん。海といえば“海の幸”ですよ!」
「釣りはできんぞ。糸と針がないし、作るにもワークテーブルが必要だ」
「大丈夫です。ほら、貝類ですよ!」
そういえば、いくつか落ちているな。砂浜には見事な棘を持った巻貝が――って、あれはさすがの俺も知っている。帝国では高級食材じゃないか!
「ヒメサザエか!」
「そうです。昨日、海水浴をした時に見かけたんです。でも、あれって……」
そう、そこそこの大きさを誇るヒメサザエはこちらから攻撃しない限りは無害。しかし、危害を加えれば反撃してくるという。執事のアルフレッドが豆知識として説明してくれていたのを覚えていた。
「そうか、だからスコルは拾わなかったんだな」
「はいっ、でも今ならラスティさんが倒してくれますよね!?」
「任せろ!! あれは高級食材だ!! 確保したい」
俺はヒメサザエを倒す為、ゲイルチュールを構えた。
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