湖の設置完了!!

 無人島開発スキルを使う。

 集めた材料『土×67』を使用。一個につきたる相当なので、実際はかなりの量だ。だが、スキルと万能つるはしのおかげだろうか、豆のようなサイズに圧縮されていた。俺のてのひらには土が凝縮されまくった土色の宝石があった。それを使う。


 湖の開発には、土を五十個消費する。


 今なら余裕で足りる。

 万能つるはしで一時間も掛からずゲット出来てしまうのだから、効率は相当良い。後は森の中に『湖』を設置するだけ。



 ただ、無人島の森はかなり広い。徒歩でも一日で回り切れない距離だ。なので拠点から近い場所に俺は湖を置く事にした。

 まずは木を伐採し、場所を確保。その木は材料として保管する。



「――よし、必要範囲はこれで足りそうだな」



 湖の設置には最低限の領域が必要だった。それも当然だ、湖なのだから、ある程度の範囲がなければ湖とは呼べない。


 材料の投入が完了し、俺はスキルを発動。湖の設置に踏み切った。


 指定した箇所、何もない大地がピカピカと光り――たった三秒後には大きな穴が穿うがたれた。ドンと軽い揺れを起こし、そこには大量の水が湧き出て……あっと言う間に湖へと変貌を遂げた。


「おぉ、マジで湖になった……こいつはスゲェや」


 腰を下ろし、湖の水を手ですくってみる。清らかで透明な水が確保できた。これなら飲める。俺はそのまま水を飲んでみた。



「……うまいっ!」



 恐ろしい程に美味かった。

 水がこんなにおいしいと感じられるなんて思わなかった。やっぱり人間には水が必要なんだなと改めて思った。



 感動していると背後から気配が。



「ラスティさーん、お待たせしました。お風呂長くなってしまって本当にごめんなさ――え? え? 湖が出来てるー!?」



 驚愕するスコルは、腰を抜かしていた。おいおい、驚きすぎだろう。けれど、良いリアクションを見せて貰った。



「どうだ、スコル! 俺の無人島開発スキルは本物だろ」

「……は、はい。だって昨日まではこんな広くて美しい湖なんて無かったですよ! これがラスティさんの能力スキルなんですね!」


「わはははは! これで水問題は無くなった。綺麗な水が飲めるぞ。しかもこの辺りの木々伐採のおかげで家も作れそうだぞ」


「家! それは素敵です。あ、あのラスティさん……」

「どうした」

「わたし、ラスティさんをただの覗き魔の変態と誤解していたかもしれません」


「ちょ、あれは不可抗力なんだ!」



 まあ確かに、スコルの裸をモロに見てしまったけど。



「ええ、信じていますよ。ていうか、ラスティさんがいないと、こんな険しい無人島で生きていけないです。だからラスティさんは凄いんですっ」

「お、おう」



 そこまで言われると照れるな。

 いかん、顔が火照ってきた。そうか、俺、褒められるの初めてだ。……こんな風に労働に励んで褒められるって嬉しいんだな。知らなかったな。

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