美少女エルフ、漂着
手を使って土を集めていく……俺。
「って、こんなんで集まるかーい!!」
手で掘っていくだなんて非効率すぎる。せめて道具がないとな……。道具、道具……こういう時の道具ってなんだー!?
分からん。
どうしたらいいんだ、俺はあああああああああああ……!!
とりあえず、喉がカラカラの状態で海辺を歩く。何か道具になるものが落ちていないか探すが、なにもない。ただ綺麗な波が押し寄せてくるだけ。
くそがああああああ、こんなの無理だああ!!
何が無人島開発だよ。
その前に死ぬわ!
トボトボと歩いていると、人が落ちていた。いや、多分この場合は“漂流者”というべきか。服はずぶ濡れて
「し、死んでいるのか……」
近寄ると、そいつは突然起き上がった。
「ウ、ああああああぁぁぁ……!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!! 藻のオバケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」
ダッシュで逃げると藻のオバケも追いかけてきやがった。なんだこれ、なんだこれえええええええええ……!!!
って、コケてるし。
ポテっと倒れるそいつは動かなくなった。息絶えたか……? 一応確認しにいく俺。わざわざリスクを犯す必要はないかもしれんが、だが、島の安全を確保しなければならない。
俺は適当な棒を拾って、その倒れている人物をツンツンする。すると、その藻星人は震える手で俺に助けを求めてきた。
「だ~ず~げ~で~……」
「怖すぎるってーの!! なんだ、人間かよ」
顔に絡みついている藻を取ってやる。すると、段々と白い肌が露わになって、尖った耳も見えてくる。……おいおい、なんか知らんが藻の中から美少女が出て来やがったぞ。とんでもない美人だった。
「……あ、ありがとうございましゅ~」
「お前、エルフか」
肩まで伸びる金の髪。エメラルドグリーンの瞳。独特な尖った形の耳。ぼいんぼいんの胸。体のラインを強調するかのような民族衣装。明らかにエルフである。
「は、はぃ……。崖から落ちて流されてきたんです……。あの、み、水を……」
あ、倒れた。
って、そうだあああああああ、俺も『水』が欲しいんだ!! こいつを助けて無駄な体力を使ってしまった。まずい、喉がカラカラだ。
「わ、分かった。俺には無人島開発スキルがある。沼を作るから、大至急で『砂』を集めてくれ。樽いっぱい分だ! 二人の力を合わせれば直ぐだろ!?」
「す、砂をですか。分かりました」
名も無き美少女エルフに手助けしてもらい、砂を大量に用意した。なるほど、二人でやればこんなに効率が違うものなんだな。
なんとか樽いっぱい分の砂を用意し、俺はさっそくスキルを発動。なるべく森の中に沼を作った。
ぴかっと光るや、そこに『沼』が完成。見事な沼だった。
「で、出来たぞ!!」
「おお! すごい!!」
俺とエルフは沼に顔を突っ込む。
水だ! 新鮮で、ぬまぬまで、どろどろで……げぼげぼで…………って、
***おねがい***
続きが読みたいと思ったらでいいので『★×3』をしていただけると非常に助かります。
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