田舎の根暗大学生、陽キャに絡まれる

古月湖

プロローグ

 冴えない大学生、佐伯大生さえきたいせいは日々腐っていた。


 しけたツラして大学に通い、当然のように友達はおらず、しかしだからといって何かするわけでもない。


 暇なので始めたバイト先で出会った人も、結局はすぐに疎遠になって、いまやたまに目が合った時に会釈するくらいの距離感に落ち着いた。


 一人暮らしなので家に帰っても誰もいない。


 親の束縛から解放された反動からか、家ではゲーム画面を延々眺め、バイトがない日は一言も発しないことが多い。


 どこまでもクズ。


 とことんクズ。


 通っている大学が地方ではあるが公立である点が唯一の救いだろう。


 だがそれは他の要素を無視できるほど大きなファクターじゃない。


 むしろ中途半端な反撃要素は、より攻撃の手を増やしてしまう。


 まあとにかくそんな感じの、残念な大学生なのであった。

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