第4話 夜明け
ボルドは
昨日の朝、荷台の上の
本当は昨日の襲撃で自分は殺され、今のこれは天に
ボルドはそんなことを思いながら自分の体を見つめる。
彼の肌には昨夜の情事の
女性と肌を重ねるなど昨日まで
しかも相手は
ボルドは信じられない思いで体を起こす。
昨夜、行為が終わるとブリジットはすぐに眠ってしまった。
その後ほどなくして
情夫はブリジットが寝室を去るまでそこに控えていなければならない。
その後ボルドはとても眠ることが出来ず、ようやくウトウトし始めたのは明け方になってからだ。
鳥のさえずりで目を覚ますと、すでにブリジットはいなくなっていた。
「
ふとそんな
余計なことを言って誰かに聞かれたら恐ろしい。
それから数分と
昨晩からこの寝室であれこれと仕事をしていた2人だ。
1人は手にボルドの着替えを持ち、もう1人は手に洗面用具と
「食事のご用意が整っております。
ボルドは初めて彼らの声を聞いたが、
彼らに従いベッドを降りると、
白いシーツには赤い染みがポツンとついている。
それが何を意味するのかボルドには分からなかった。
彼の肌のあちこちにはブリジットがつけた赤い
ブリジットがケガでもしていたのだろうか。
そんなことを思いながら
昨夜のこともあるので食べるのが恐ろしかったが、不思議な
「
「本日は午前中にお
「お
「はい。ブリジットが正式に情夫を迎えたことを一族に周知する儀式です。それを経てあなたの一族の中でのお立場が明確になります」
昨日の女戦士もそうだったが、
「あの……女王……さまのことを何とお呼びすれば?」
「ブリジットとお呼び下さい。我らは女王という敬称は使いません。ブリジットという名が一族を治める長としての正式な敬称なのです」
「えっ?」
このダニアでは一族の長たる女性は必ずブリジットと呼ばれる。
部族を
ボルドもその名で彼女を呼ぶことを求められる。
彼は小声で呼び慣れぬその名を何度も
「今のブリジットは7代目となります」
そうした説明を受けているうちに食事が終わり、
「あの……僕はこの先どうなるのでしょうか」
着慣れぬ衣装を着せられ、これまでまったく
そのことで極度の緊張を覚えたボルドは不安で思わずそう
「分かりませぬ。ブリジットのご
「今までのブリジットの情夫はどうされたのですか?」
追放されてしまったのだろうか。
前任者の行く末が気になりそう
「おまえはブリジットの初めての情夫だ」
そう言ったのは天幕に入ってきた女戦士だった。
昨日、彼の体を洗い、下半身のそれを指でつまんで
そんな彼を見て女戦士はニヤリと笑った。
「ダニアのブリジットは18歳になるまで男知らず。処女なのが鉄の
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