14.中節

━─━─ № 14-35 (1,986) ─━─━

  〖ありき〗(名詞)


あり】⚠⛏  #2,160

 〈それが現在既にあること〉の意。

 原語は〔りき〕。

 飽くまで〈すでにある〉の意であり〈勘案条件として予定して〉〈他の事柄の結果を待って〉等ではないが、しばしばそのように誤用されるため、それが起こりにくい熟字訓を提案するもの。

 なお字義的に〔既〕は語の末尾に置くものではなく、通常の熟語としては成り立たない表記であることに注意。



━─━─ № 14-37 (1,988) ─━─━

  〖しょっちゅう〗(副詞)


初中後しょっちゅう】⚠⛏  #2,161

 〈始終〉の意。

 転じて〈よくあること〉の意。

 〔しょちゅう〕の崩しとされる。



━─━─ № 14-39 (1,990) ─━─━

  〖まさか〗(副詞的感嘆詞)


か】⚠⛏  #2,162

 〈予期しない事態〉〈よもや〉の意。


さか】✗  #2,163

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈完全に反対〉の意となる。

 〝丁度そう読めるからこれに違いない〟との勘違いが広まったものと思われる。



━─━─ № 14-41 (1,992) ─━─━

  〖いと〗〖いっとう〗〖いとも〗(副詞)


と】【っとう】【とも】⚠  #2,164

 〈程度をはなはだしくして〉の意。

 古語〔いと〕に相当。


と】【っとう】【とも】⚠  #2,165

 〈これ以上ないほど程度をはなはだしくして〉の意。



━─━─ № 14-43 (1,994) ─━─━

  〖しゃあしゃあと〗(副詞)


しゃあしゃあと】⚠⛏  #2,166

 〈水などをよく振りかけるさま〉〈あつましくもけろりとしているさま〉の意。



━─━─ № 14-45 (1,996) ─━─━

  〖いんぱくようこん〗⛏(名詞)


いんぱくようこん】⚠⛏  #2,167

 〈こんぱく〉〈個の存在の深部〉の意。

 〔魂〕は〈精神を支える気〉、〔魄〕は〈肉体を支える気〉の意であり、いずれも〝精気〟で、この二つの精気が合わさって〝生〟が存在するとわれるもの。

 〝こんは陽に属して天にし、はくは陰に属して地にす(精神は天国へ行き、肉体は土にかえる)〟と解される事から、それぞれ[ようこん][いんぱく]ともう。

 なお〔魄〕は〈身体の設計図〉もまた意味するため、「⦅デキシオリボニュークレイクアシッドなどによる⦆遺伝子」の事もまた指すのかもしれない。



━─━─ № 14-47 (1,998) ─━─━

  〖すさはぜる〗⛏(ザ下一段動詞)


すさぜる】⚠⛏  #2,168

 〈すさまじい勢いで爆裂する〉の意。



━─━─ № 14-49 (2,000) ─━─━

  〖ひといちばい〗(副詞的名詞)


ひといちばい】⚠⛏  #2,169

 〈人と同一の分量〉の意。

 直後に「よく、多く、たくさん」等を伴うなどする事でよえやく〈人より倍の分量〉の意になるが、この語自体は飽くまで〈いちばい〉の意しか持たない。

 他のだれかが人の二倍の分量をこなしいてると推定される状況で〝人一倍多く〟とった場合には、人の三倍の分量を指す事になる。



━─━─ № 14-51 (2,002) ─━─━

  〖しきたり〗(名詞)


きたり】⚠  #2,170

 〈慣例〉〈昔からのならわし〉の意。


きたり】⚠✗  #2,171

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈今までにてきたこと〉のような意となる。

 当該語はどちらかと言うと〈従わせられてきた〉ものを指す。



━─━─ № 14-53 (2,004) ─━─━

  〖とうとい〗〖たっとい〗(形容詞)


とうとい】【たっとい】⚠  #2,172

 〈神のように特別扱いすべき存在である〉〈ありがたい〉の意。


とうとい】【たっとい】⚠  #2,173

 〈値段や価値が高い〉〈偉い〉の意。


☞ 組成は〔いたし〕。



━─━─ № 14-55 (2,006) ─━─━

  〖きょうかん〗(サ変名詞)


きょうかん】⚠  #2,174

 〈他者の感覚や感情がどうさつされること〉の意。



━─━─ № 14-57 (2,008) ─━─━

  〖きょうかんせい〗(名詞)


きょうかんせい】⚠  #2,175

 〈共感の内容を我が物として甘受してしまう感覚〉の意。

 転じて〈他者感応にもとづく社会性〉の意。



━─━─ № 14-59 (2,010) ─━─━

  〖きょうかんせいけつぼうしょうこうぐん〗⛏(名詞)


きょうかんせいけつぼうしょうこうぐん】⚠⛏  #2,176

 〈共感性の欠如によって生じる一連のパーソナリティ障害〉の意。

 なお共感性が欠如するからと言って共感が不能であるわけではなく、むしろ自身の気持ちに邪魔されずにどうさつできるため共感精度は高くなる。

 一般に〝不誠実気質サイコパシー手段不問気質マキャヴェリズム過自尊気質ナルシシズム〟の三つを合わせて〝闇の三本柱ダーク・トライアド〟と呼び、これらの要素を持つ者は共同生活で問題行動を起こしがちであるとされるものだが、この三つの要素すべてが共感性欠如によって生じ得ると(ワシの想像では)考えられるもの。

 なお、共感性欠如のほとんどはせんてんてきな脳機能障害で、本人の努力で改善できる性質のものではなく、治療も難しいとされる。



━─━─ № 14-61 (2,012) ─━─━

  〖あつかましい〗(形容詞)


あつましい】⚠⛏  #2,177

 〈行動や態度に慎みがない〉〈ずうずうしく遠慮がない〉の意。


あつましい】✗  #2,178

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈みが分厚いさま(⁉)〉のような意となる。

 〝つらの皮が厚い〟との言い回しはあれど〔厚〕に〈ずうずうしい〉の意は無い。



━─━─ № 14-63 (2,014) ─━─━

  〖ろくでもない〗(形容詞)


ろくい】⚠⛏  #2,179

 〈ばんじゃくさのかけらもない〉〈無意味でなんの値うちもない〉〈くだらない〉の意。

 組成として「ろくでもない」との説明のみ一般にみられるが、この表記では{でもい}でひとまとまりの弱い打ち消し語のように受け取られるがあり、それでは語義から意がかいするため、当該語義かられない形での表記を提案するもの。


ろくでもい】⚠✗  #2,180

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈役立たずでもない〉〈捨てたものではない〉のような意となる。



━─━─ № 14-65 (2,016) ─━─━

  〖たまげる〗(ガ下一段動詞)


たまる】⚠  #2,181

 〈心地をなくす〉〈非常に驚く〉の意。



━─━─ № 14-67 (2,018) ─━─━

  〖ひよる〗(ラ五段動詞)


ひよる】⚠⛏  #2,182

 〈よわよわしくある〉〈ひるむ〉〈怖じ気づく〉の意。

 この字を当てることにより多方面ですんなり通る効果が認められるため、この表記を採用することとする。


る】⚠✗  #2,183

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈晴れて良い天気である〉のような意となる。

 〈天気の様子をうかがうこと〉転じて〈態度を積極的に決定せず形勢にまかせること〉の意の〔より〕を語源とするとの説であるが、この表記ままでは〈引け目〉〈恐怖〉といった意味合いにとぼしい。



━─━─ № 14-69 (2,020) ─━─━

  〖てんとう〗(名詞)


てんとう】⚠  #2,184

 〈さかさまにすること〉の意。

 転じて〈真実に反する見解をもつこと〉の意。


てんとう】⚠  #2,185

 〈転んで倒れる〉の意。[てんとう]との混同に注意。



━─━─ № 14-71 (2,022) ─━─━

  〖ゆさぶる〗〖ゆすぶる〗(ラ五段動詞)


る】【る】⚠⛏  #2,186

 〈振動や衝撃を与えて弱らせる〉の意。


る】【る】✗  #2,187

 ほぼ同義であるが、〔振〕は単に〈振幅する〉である一方、〔掉〕は〈振れるように動かす〉の意であってよりとうなため、[る]を遣うことをすいしょうする。



━─━─ № 14-73 (2,024) ─━─━

  〖だて〗(名詞)


】⚠⛏  #2,188

 〈かっこいいところを見せようしている様子〉の意。

 原語は〔だて〕。


だて】✗  #2,189

 []と同義だが、環境依存文字であるため遣うことをすいしょうしない。

 なお〔婲{⿰女花}〕は国字である。


伊達だて】⚯✗  #2,190

 語義不相応のため遣うことをすいしょうしない。

 この表記では〈統治者へ達すること〉のような意となる。

 〔伊〕は〈統治者〉の意。

 「伊達だて」自体は武家の固有名詞であり、このうち{伊}は発音をしない黙字で、厳密にルビ振りするなら{だて}となる。



━─━─ № 14-75 (2,026) ─━─━

  〖ぐらつく〗(カ五段動詞)


ぐらく】⚠⛏  #2,191

 〈しっかりしておらず不安定で揺れ動く〉の意。



━─━─ № 14-77 (2,028) ─━─━

  〖けむにまく〗〖けむりにまく〗(カ五段動詞)


けむく】【けむりく】⚠  #2,192

 〈煙に包む〉〈目くらましをする〉の意。

 転じて〈言葉を燃やしていた煙でもって包んで相手の思考力を奪う〉の意。

 なお慣例的に{けむ}とっている部分についてはことばのうえでの根拠は無く、したがって{けむり}と読んでも何も問題は無く、強いて問題あるとすれば何も考えてない誤用警察が意義もなく突っかかってくr(



━─━─ № 14-79 (2,030) ─━─━

  〖からきし〗〖からきり〗(副詞)


からし】【からり】⚠⛏  #2,193

 〈まるっきり〉〈そのたぐいのものは全て〉の意。



━─━─ № 14-81 (2,032) ─━─━

  〖のらりくらり〗(副詞)


のらくらり】⚠⛏  #2,194

 〈柔らかくてぬるぬる滑るさま〉の意。

 転じて〈とらえどころのないさま〉の意。



━─━─ № 14-83 (2,034) ─━─━

  〖れっきと〗〖れきと〗(副詞)


れっきと】【れきと】⚠  #2,195

 〈はっきりとしているさま〉〈確かなさま〉の意。

 なお、この意味を持つようになったのはおそらく「歴史」という語の影響で、〔歴〕自体は字義として〈次々にめぐり歩く〉の意しか持たない。



━─━─ № 14-85 (2,036) ─━─━

  〖いわんや〗(副詞)


いわんや】【いわんや】⚠  #2,196

 〈ましてや〉〈言うに及ばず〉の意。

 組成は〔〕。



━─━─ № 14-87 (2,038) ─━─━

  〖へちゃむくれ〗(副詞)


絲瓜へちゃくれ】⚠⛏  #2,197

 〈役立たず〉の意。

 転じて〈意気地なし〉の意。

 [絲瓜へちゃ]は〈絲瓜へちま〉転じて〈役に立てれない物〉の意であり、「絲瓜へちま」の組成は〈ほとんど筋ばかりの実〉の意の〔すべすぢ〕。

 [くれ]は〈き落とした皮などのごみ〉転じて〈役に立てれない物〉の意。

 役に立てれない物すぎる言葉。

 なお〈ひどくみにくい外見〉の意で言われる事があるが、この語にそのような意味は無い。



━─━─ № 14-89 (2,040) ─━─━

  〖うてな〗(名詞)


舞台うてな】【うてな】⚠  #2,198

 〈たい〉〈土俵〉〈陣地〉の意。

 〈圧倒されるような高台〉の意の〔にわ〕がその組成。

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