映画館で意気投合し友達になった美少女〜実は隣の家に住む、地味な女子でした
まき さとる
プロローグ
第1話 出会ったきっかけ
僕の名前は
僕は1人でいる事が好きだ。
と、言っても1人で行動する事が好きなだけで、教室にいたり、人が多い街に行ったりする事が嫌いな訳ではない。
1人はいい!
なぜなら、他の人のことを気にしなくていいし、自分の好きな事ができるから。
他人に迷惑をかけなければ……
昔からこう言う考えだった訳ではないのだが、気づいたらこうなっていた。
そんな、僕には趣味がある。
映画館で映画を鑑賞することだ。
映画館にはほとんど毎週のように通っている。
ジャンルなどは関係なく、映画館に行くことが目的だ。
何より、家で映画を見るのでは味わえない臨場感、映画館ならではのポップコーンやコーラ、そしてなんと言ってもあの大迫力のスクリーンで映像を見ることが僕は大好きなのだ。
いつも利用させてもらっている映画館は僕の家から徒歩15分の位置にある。
ちなみに僕は親に言って1人暮らしをさせてもらっている。
1人が好きと言うのがほとんどの理由だが、色々あり許してもらえた。
家から高校までは電車で一駅のところである。
映画館についてここまで語ってきた僕には当然のことながらマイポジションと勝手に読んでいる席がある。
それは、一番人気ある真ん中の列の席より、2段ほど上に位置している、端っこの席。(スクリーンから見て、右側を取ることが多い)
よくカップルが座る2つしか席が用意されていないところだ。
その席の通路側が僕のマイポジション。
この席は映画好きの人たちの中でも、斜めからスクリーンを見ているはずなのに何故か見やすい、と言う理由で穴場と言われていた。
僕の1週間のスケジュールを発表しよう。
月曜日、火曜日、木曜日、金曜日は家から5分ほど歩いたところにある、喫茶店にてアルバイトをしている。
水曜日、土曜日、日曜日は休みにしてあり、ここで映画を見に行くことにしている。
今日は日曜日、映画を見に行く日だ。
僕は7時には家を出て、歩いて映画館に向かう。
土曜日、日曜日はいつもよりも早く映画館が開くので、この時間なのだ。
そして、僕みたいな映画館で映画を見に行くことが好き人は朝早く行って一日中映画館に居たりする。
そんな僕みたいな人たちのために作られたチケットが存在する。
それは、ワンデーパスチケット。
遊園地で一日中遊べますよと同じように、一日中映画見放題ですよ、と言うチケットだ。
このチケットは料金が映画一本分より少し高いくらいの料金しかしないのに、一映画につき1ドリンク頼めるし、席もその都度選ぶことができるのだ。
僕にとっては頭が上がらないほどありがたいチケット、となっている。
無事チケットを購入した僕は早速1回目の映画を見るため、席を取る場所へと移動する。
最初に見るのはもう決まっており、前から見たかったアニメの劇場版。
大人から子供まで人気がある作品な為、昼ぐらいに見ると子供とかも大勢いる。
なので、僕は朝一のやつにしたのだ。
大勢いるのは嫌いではないが、映画中にうるさくされるのは正直嫌なのだ。
マイポジションも取れたことなので、ドリンクはチケットを見せることでもらい、ポップコーンを購入する。僕は甘いものが好きなので、もちろんキャラメル味!
「まだ、時間があるな。先に取ってしまうか」
こう言う空き時間が出来ることはよくある。
そして、こう言う時にすることも僕はいくつか決めていた。
僕は再び、映画の座席を予約しに来ていた。
どの映画を見れば時間を無駄にすることなく見続けられるか。
これを考えるだけで時間はどんどん過ぎていく。
なんて最高の時間の使い方!
結果的に僕が見たいと思った映画からうまく時間を合わせて行き、今日は5本映画を観れることになった。
5本も映画を観れることに喜んでいると、
[7時45分より3番スクリーンにて上映致します、劇場版○○をご覧のお客様、只今よりご入場を開始致します。チケットをお持ちの上、劇場入口までお越しください]
映画館にアナウンスが流れた。
僕は早速入口まで足を運んだ。
「よし、人が少ないな」
入場してからマイポジションに座った僕は、人が少ないことに安堵していた。
なぜなら、僕の隣に人が来ることは皆無に等しいから。
隣にくること自体は嫌ではないが基本的には1人で見たいのだ。
入場してからスクリーンに流れていた映像が本格的に新作映画の予告に変わった。
この予告が終わり次第本編が始まることを意味している。
いや、実際は映画館お馴染みのキャラ、ビデオカメラマン(僕はそう呼んでいる)が警察に捕まってから始まる。
まず予告の長さは本編の長さによって変わることを知っているだろうか。
例えば、映画本編が123分と言う中途半端な時。予告の長さを7分、12分などにすることによって、映画全体の長さを、130分、135分、にすることが多い。
それは映画を上映する中で5分刻みの方がスケジュールが立てやすいと言うことらしい。
閑話休題
少しだけ館内の照明が暗くなってきた。
ここまで来るとあとは本編開始までポップコーンを摘んで待っていればいい。
そう思っていると、1人が急いで中に入って来たのが見えた。
(わかるぞ、まだ始まってないけど急いでしまうの)
僕が心の中で呟いていると、その人は僕がいる方の階段を使って上がって来た。
それにより僕はその人が女性であることに気がついた。
(この時間に女性1人か……これは僕と同じ映画好きの人かな)
また、心の中でつぶやいていると、その人はどこかで曲がることもなく階段を上がってくる。
少しだけ僕は嫌な感じがした。
なぜなら、僕の席の通路を挟んだ隣に座る可能性もあるから。
ごく稀にあるのだ、マイポジションがそこだから周りに人が居たとしても気にしない人が。
(まぁ……こんなに空いているんだしそんなことはないよな)
心の中で少しだけ焦っている自分がいるのが少し恥ずかしい。
だってさっきまで別に近くに人が居ても嫌ではないと言っていたから。
するとついにその女性と思っていた人が僕の目の前まで来た。
そのことにより僕は改めて気付かされた。
女性と思っていた人は僕と同い年ぐらいの女子であり、女子に興味がない僕でも認めてしまうくらい美少女だったから。
(なんだこの子は!!こんな子、アニメでしか見たことないぞ!!)
僕は口に出しそうになるのをどうにか抑えて、心の中で珍しく叫んでいた。
その美少女は金髪なんて言葉で済ませたら失礼なぐらい綺麗な髪の毛で、色は黄金の小麦色としか僕には表現ができなかった。どこかのビール名みたいだが……
とても綺麗な色だと思ってほしい。
その髪は背中が見えないからわからないが、多分肩甲骨あたりまであるだろう。
それだけなら多分僕は美少女とは言わないだろう。
実は、僕は映画と同じくらいアニメも好きなのだ。
だからこそ必然と厳しい評価をつけてしまうのだが、
この名前も知らない女子は顔のパーツが全て美しく、整っている。
スタイルもシャツにジーンズとラフな格好をしているからこそ、良く見える。胸は小さくも大きくもなく、だけどしっかり凹凸が存在している。
これはもう美少女と認めるしかなかった。
閑話休題
何故か僕の前で止まっているその女子はずっと座席が書いてあるチケットと僕を見比べている。
そんなことをすると、あたかも僕が座席を間違えているように見えるではないか……
僕が間違えるわけない……いやあるかもしれないけど、一応確認してみよう。
僕が間違っていない事を確認して、少しだけホッとしていると、
「あの、座席間違えていませんか?」
僕はそう言われてしまった。
なので、
「いえ、先程確認しましたが僕はこの席であっています。そちらが間違ってはいませんか?」
それが僕と彼女の、最初の会話であり、出会うきっかけとなった出来事である。
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1話読んで頂きありがとうございます!
初めましての人、2回目の人、こんにちわ!こんばんわ!槙 悟です。
今回の話は映画館で出会うことから始まるラブコメです。
どうぞ、楽しんで行ってください!
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