蛇口
ひねれば望むままに水を得られる
なんて
水は生命の源だろ
それを望むままに
だなんて
おかげで僕は砂漠を知らない
知っているなんて
おこがましくて言えない
僕は本当の渇きを知らない
僕は本当の潤いを知らない
長兄の死を知らされた時
僕は泣けなかった
その時 蛇口があればよかったのか
いや無くていい そんな蛇口
ひねっても無駄だったろう
渇きも収まらない
潤わない
長兄もそんなことは望んでいない
それなら知っていると言える
断言できる
蛇口をひねれば水が出る
濡らした雑巾も絞れば水が出る
僕も絞られているのかも
それで僕から出てきたのがこの詩
濡らされ絞られ
もしくは ひねられて
僕から出てきた
2021.7.4
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