器
器からこぼれる
器が割れる
器が載せていたもの
器が受け止めてくれていたもの
それが無駄になる
やっと手に入れたのに
あと少しで自分の一部にすることができるはずだったのに
もう無駄になった
むざむざ無駄にするなんて
なんて愚か者だ僕は
事ここに至るまでどれだけ大変だったか
忘れたわけでもない
むしろ
知ってもらいたいと願っていた
今でも願っているくらいだ
ここに至るまでの事
それを一番分かってくれていたのは
一番受け止めてくれていたのは
その器
その器からこぼれた
その器が割れた
せっかくの器
もう戻らない
同じ器は手に入らない
別の器で代用するだけ
贅沢を言うな
受け止めてもらえるのなら
2021.2.5
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