第二話
事あるごとにネタにされ話題にされ……なんだかんだ話題をさらった作品――。
これがアリアのこのゲームに対する最終評価である。
「……」
そして、そういった「アイテム」とも言える『プレゼント』を買う事が出来るのが学校の購買だ。
正直「こういった物を学校の購買で売るのってどうよ」と思ってしまうのだが、まぁ当然普通に購入する事は出来ない。
ただ、買える様になる方法はものすごく簡単で、しかもよっぽどの事がない限り必然的に起こるイベントでもある。
そのため、プレイヤーからは『お手伝いのチュートリアル』とすら呼ばれていた。
ちなみにその肝心の内容は「大量の荷物を持てずに困っている店員さんを助ける」というモノで、一応「手伝う」かどうかの選択肢は出るモノの、ゲームの序盤も序盤に出てくるため「手伝わない」を選ぶ人はそういないはずだ。
そして、そのままの流れでこの店員さんからコインをもらって買い物の仕方を教えてもらう事が出来、親愛度の上がるプレゼントの存在も教えてもらえる。
しかし、アイテムが開くのは攻略キャラクターたちの親愛度次第で、一人でもその親愛度に到達さえしていれば送る事が出来る。
ただ問題は「送った相手がその『プレゼント』を喜ぶかどうかは別」という事だ。
ちなみに「チョコレートクッキー」は最初から選べるようになっているが、コインの数の関係で絶対に買えない。
「……」
しかし、コレはあくまで「ゲームの中」での話であって、この世界ではどういった形でこれらのアイテムが存在しているのか全然分からない。
「まぁ、何はともあれ――」
まず購買に行ってみるしかないだろう。
ちなみに、この購買は一つの教室を改造した様なつくりになっており、表向きは主に授業で使うような文具や備品などを売っている。
そして、また魔法の杖やほうきなども売っており、こうした物は「魔法道具」と言われている。
これら購買で購入出来る物は後半になればなるほど難しくなる試験対策として用いられるのだが、膨大な魔力を持つアリアには実は必要がない。
むしろ性能の良い物を使って下手に『先祖返り』だと勘づかれる様な事は避けたい。
しかも、学校から杖やほうきはあまり性能が良いとは言えないモノの支給はされる。
ただ、実は「性能は悪ければ悪いほど使い手の腕が試される事を考えると、むしろそちらの方が都合がいい」とアリアは考えていたのだ。
だからアリアは入学してから一度も購買を訪れた事がなかった。
しかし、アリアは知らない。
全員に支給されている杖やほうきが購買で販売されている物よりも性能が悪いにも関わらず二位の成績を出している事で逆に「なんで?」と怪しまれている事を。
そして、それらの疑いの目を逸らすためにキュリオス王子がアリアに合わせているという事を。
まぁ、そもそも『先祖返り』自体国家機密の様な存在のため、それを知っている人はそういないのだが……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます