第3話 呼び出しだよ、グシャート君
綺麗に晴れた青空の中を、沈んだ顔をした僕とあきれ顔のレナジェが歩く。
「ギルド長から呼び出し……このタイミングで呼び出し……あぁ、嫌な予感しかしない……」
「アンタねぇ、何度ぉ同じ台詞吐けば気が済むのよぉ? 諦めなさい?」
レナジェの言葉一つ一つが僕の胸に鋭利な刃となって突き刺さる。やめてくれ……。僕のライフはすでにゼロなんだ!
重たい足取りで辿り着いたのは、僕達冒険者なら誰もが登録し所属している冒険者ギルドだ。そこで僕達……もとい僕は緊急の召集を受けたのだ。心当たりは
深呼吸をして、ゆっくりとギルドの扉を開け受付嬢に用件を伝える。もっとも、すでに話は広まっていたらしく、受付嬢は僕の顔を見るなりなんとも侮蔑が入った視線を向けて来た。視線を!
「ギルド長がお待ちです。案内は、必要ありませんね? レナジェ様はどうされますか? 貴方様は呼び出しに入っておりませんが……」
「あぁ~、一応同行させてほしいんですけどぉ? あとぉ、その後でいいからぁアタシとお茶でもどうかしらぁ? 疲れた顔は似合わないわよぉレディ?」
ちょっと待て。最後はただのナンパじゃないか! って受付嬢もなに頬を赤らめているんだ!
そう、このレナジェは口調こそオネエのくせにその実かなりの女好きなのだ。しかもモテる。悔しいことこの上ない。
そんな風に思考をよそへ向け現実逃避していると、あっという間にギルド長室へとたどり着いてしまった。二回ノックをしてから、一呼吸置いて僕は勇気を出して口を開く。
「はぁ……あぁ……うぅ……コホン。ギルド長、グシャートです。失礼いたします」
「
中に入ると、シンプルかつ整理整頓されたギルド長室に、銀髪碧眼の美男子がこれまた綺麗に片づけられたデスクに両手を組んで背もたれのある椅子にもたれかかっていた。
僕達を視界に入れると、ゆっくりと背筋を伸ばし、声をかけてきた。
「
そう告げるギルド長、ライハナサン・グーガスラヒ様の視線は冷ややかだ。僕は唇を震わせながら、
「……テルスとスセの追放の件、ですよね……? その件につきましては深く反省している所存でして! その、もし赦していただけるなら!!」
僕の淡い希望を込めた言葉にライハナサン様は冷静に現実を突きつけて来た。
「ギルドとして、赦す赦さないもない。だが、今回の件に関し、多方面から非難が上がっているのも確かだ。よって、条件を出そう。……一人で今から発注するクエストを攻略して来なさい。そうしたら、今回の件は不問にしよう」
ライハナサン様の言葉に僕は思考が固まる。一人で? クエストを? Sランクのクエストを一人で? あまりの事に僕が何も言えずにいると、横にいたレナジェが口を開いた。
「あのぉ~アタシ、まだ一応
「ふむ。いいだろう、レナジェ。お前の同行を許可する。ただし……」
「ただし
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