第5話 モブside噂の生徒たち

僕がカフェテリアでランチを友人と食べていたら、ガヤガヤと入ってきたのは例のメンバーだ。


眼鏡を掛けてるのは、クールビューティーと言われる黒崎雪弥。眼鏡も顔の綺麗さを隠すためのカモフラージュって言われてるけど、眼鏡をしていても綺麗な男だってのは分かる。


黒崎が一目置かれてるもうひとつの理由は、発情期が来てないって噂があるからだ。発情期は中学生時代に済ませるのが普通だから、高2で未だ無いなんてのは本当に珍しい。


噂では黒崎はレア系の先祖だとか言われてるし、出身もハッキリしなくてその秘密めいたところも注目の的なんだ。



黒崎の隣で、いつも寡黙にボディーガードみたいに振る舞ってるのは鱗川秋良だ。名前から分かる通り、鰐系先祖のせいでガタイがもの凄い良い。


鱗川の兄は去年生徒会長だった。兄と弟は結構性格が違う感じだけど、去年は3年の先輩が黒崎に纏わりつくせいで、こいつらと一触即発みたいになった。その仲裁したのが兄の鱗川先輩で、この件以来誰もこいつらに手出しはしなくなった。


先輩達が卒業してからは、今の3年は大人しいのでこの2年が我が物顔で振る舞ってる。まぁ、本人達はそんな気があるわけじゃ無いだろうが、メンバーが派手なのでそう見えるだけだ。



一番騒がしいのは白獅子椿だ。名前から分かる通り、白獅子コーポレーションの御曹司だ。獅子の家系なので、とかくハーレムを作りがちで、俺たち一般人からすると羨ましい限りだ。


まぁ男にも女にも性的に緩いって事だけど。性格は結構人懐っこくて楽しいことが好きなお祭り男だ。黒崎にいつも冷たくあしらわれてて、見てると笑える。



もう一人のガチムチのゴツい男は古虎聖だ。アマチュアの格闘家で今のところ負け知らずだ。噂では凄い絶倫だって話だけど、真実かは不明だ。名前からも虎の家系なのはハッキリしてるけれど、こいつについてはあまり情報が無い。何か特殊な能力が有るとか、無いとか言われてるけど…。



僕は友達と目を合わせながら、何気なく黒崎を盗み見た。正面からじろじろ見てると、アイツらの誰かがやってきてうるさいから、みんなこんな感じになってしまった。黒崎はいつも物憂げで気怠いけど、頭は良いし、風紀委員だし。風紀委員てのは結構な権力者で、鉄拳も繰り出すとか噂あるけど、きっと鱗川が代わりにやってるんだろうな。


僕はそんな事を考えながら、その綺麗な横顔をチラ見した。




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