23 想定外の出来事

 昨日、ピリポさんと話をし、魔族の対応を決めた。その翌日。


「休日だー。」


「そうですね。今日は何をするつもりでしょうか。ロベル様。」


「うわ。びっくりした。居たんだね、シュラウツ。」


 ほんと、心臓に悪い。気を抜いた時に限っているから。


「んー。図書館でも行こうかな。」


「では、昼食の際にお戻りになってください。」


「うん。もちろんだ。」


 今日の昼食は何かな。なんか、調理人がいるらしいんだよね。どこにいるのか探してみたいけど、やっぱり図書館の方が行きたいからいいや。


 そういや図書館って行くの久しぶりだな。あの時(17話)ぶりだったはず。その前なら結構行ってたんだけど、あの後から訓練の回数が増えてたからな。


 確かここを右に曲がった先にあったあった。じゃあ、扉を開けて。

 やっぱいいなここは。本が大量にある。今日は何を読もうかな。その前に腕時計をつけておこう。ここだと、時間を知らせる鐘の音が聞こえにくいから。時計はバレないように光魔法で隠しといて。


 ちなみにこの世界には紙を作る技術はあるが昔の中国みたいな作り方しかないため本はそこまで量産性は優れていない。


 あっ。古代魔法の本だ。古代魔法には興味があったからな、読んでみよう。


 古代魔法は何!?詠唱魔法ではないの!魔法陣を使って発動か。すっげぇ楽しそう!

 この本は古代魔法の歴史か。歴史より、解説の本はないのかな。探さなきゃ。



◇◇◇



 今日は休日。訓練もない。少しでもバレにくくするために図書館へ行き、知識を蓄えた方がいいだろう。

 んな。あいつがいるだと。予定変更だ。あの指令がある以上やらないといけない。

 さて、いつなら狙えるかね。頻繁に本を探しに行っているようだが。



◇◇◇



 鑑定のスキルのおかげでめちゃくちゃ楽に理解ができる。宮廷鑑定士がいるのにも納得できるわ。古代魔法は便利だもんな。だからこそ魔石が必要になるのだが。みんなの魔力が多ければそんなこと起きてないかもしれないのに。

 問題は発動させるために書かないといけないところだよな。とりあえず魔法陣を運ぶことが特殊な紙で出来ることが分かっただけで十分だろう。時間もだいぶ経ったから帰った方がいいだろう。いやー、30冊弱を読むのは大変だな。


 そういや全然片付けてなかった。20冊くらいかな?魔法使って運ぶか。何キロあるんだろ。


 本の貸し出しがあったらいいんだけどないんだよな。

 じゃあ、帰るか。シュラウツが待ってると思うし。



◇◇◇



 やっと出たか。滞在時間に対して読む量がおかしい気がするんだが、まあいいだろう。

 気配を隠し、尾行をするしかない。でも、扉を音を立てずに開くことは不可能だからな。そこでバレたら諦めよう。



◇◇◇



 早く戻らなきゃ。昼食が俺を待っている。なるべく早く走るわけにはいかないけど。早く、階段を降りて寮へ。


 降りたぞ。このまま進んでいけば。何か来る!?〈結界〉


「随分と突然だな。魔族。」


「何で奇襲に対応できるんですか。普通に考えておかしいでしょ。」


「悪かったな。ある程度の距離なら常に探知魔法が発動しているからな。突然の接近でも対応できるんだ。」


「すぐに殺れなかったことは残念だが今から殺ってやろう。」


「なぜ殺す必要がある。」


「知るか。俺だって分からねえんだよ。」


 さて、倒せないものは引かせるしかないからな、強制的に。どうしたらいいことか。お腹空いてきた。

 予知眼を使って対処してるけど。よし、めんどくさいから上位魔法の複合魔法一発撃っときゃ何とかなるだろう。

 〈旋炎永獄〉威力1.3倍〈封印結界〉〈突風〉圧縮威力3.5倍

 どこに飛んでったかは知らんけど。早く帰ろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る