シンガープロゲーマーズクロニクル

中川優成

序章・幼い頃の2人の決意

 輝く星の光が、スカイカーと呼ばれる空を飛ぶ車のライトで隠される2054年12月。


 小学生くらいの少女が1人寂しそうにブランコに乗りながら首から下げてるイルカのネックレスを握ったり離したりしてる。


 少女は、目の前に映し出されるホログラムディスプレイである映像を見ていた。


 光り輝くステージで歌い人々を魅了し、FPSプロゲーマーとして戦い続ける女の子達。


 スノーラビットと呼ばれるプロゲーミングチームがプロゲーマーの競技化や、ゲーミング界のプレイヤー増加を目的として、ボーカルグループを結成して以来、プロゲーマーとボーカルグループと言う組み合わせが、定着していき、いつしか女の子達の憧れになって行った。


 可愛い衣装を着て、歌い戦う少女達。


 高橋美樹は、プロゲーマーに憧れる女の子の1人。


 そこに、美樹と同じ歳ぐらいの女の子が息を切らしながら走ってきた。


「ごめん。パパの会社のセキュリティプログラム開発してたら遅くなった!」


「唯、ごめん。東京に引っ越すの高校生になってからだって。」


「中学も栃木なの?」


「そう。おもちゃのまち近くの中学に行く。」


「そっかぁ。したかないね。それまでは、お互い頑張ろ!」


「ありがとう、唯。高校生になったら、一緒に新しく始まるRPGバトルロワイヤルゲームのプロ目指そうね!!」


 美樹は、嬉しそうに顔を上げ力強く唯を見た。


 唯は、嬉しそうに頷くと美樹と力強く握手した。


「私は、前で刀で戦うから、私の背中は唯に任せたよ!」


 美樹の言葉に唯は、力強く決意に満ちた目で返した。


「大丈夫!しっかり撃ち抜くよ!一緒に世界一になろう!!」


 夜の公園に灯った光は未熟ながらも着実に未来に向けて輝きを増していく。

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