第2話 ネットにめざとい系義妹

「…ええっとなになに?『彼女が欲しいです』だって?なにこれすっごく切実なんだけど…」


いつもの趣味のネットサーフィンで見つけた某知恵袋の一つの質問を何気なく見ていくと…


「…あれ、この人神奈川なんだ…もしかしたら知ってる人だったりして、…まさかね」


知らない人だといいな〜気まずくならないし〜と適当に流してすぐに動画を流し見していく。


(は〜今日もお兄さんとあんまり話せなかったなぁ…)


私には少し複雑な事情があり、彼女は母子家庭で育っており、つい最近に母が再婚をしたのだ。相手には私の一つ上の、今ではお兄さんと呼ぶような男の人がいる…のだが、あまりお兄さんは話しかけてくれずに未だ距離が遠いままなのである。


(早く仲良くなってお兄さんも笑顔でいて欲しいな…)


そんな願いはもうすぐ叶うのかもしれない…し叶わないかもしれない…


神からのお告げじみた自分の曖昧な予感は信じきれないし、これまでもその予感を私は微妙にズラしてきたのだ。あまり信用に足るとも思えない。


「こんな悶々と悩んでるならお兄さんの部屋に突撃しちゃおうかな…でも多分迷惑だよね…」


もう同じ屋根の下に住み始めて3ヶ月と経っているのに仲の良くなる進展は見えない。


「でもたまに私のことを見てる時とかもあったから…お兄さんの方も仲良くなりたいと意識しててくれてるのかな」


まさかね…と自分の異性に対する内気な性格はやはりここでも尾を引いてくるか。


厄介すぎてもはやあっぱれなり、ってなに考えてんだか…


希穂きほ〜ご飯だから降りてきなさい〜」


「わかった〜今行く〜」


さっきお兄さんも呼ばれていたから私もすぐに呼ばれることは知っていた。


「夕食の時にはなにか話せるといいなぁ」


神田家の夕食に期待を乗せて今日も賑やかに過ぎてゆく。

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