最初の記憶は、そう。

 血まみれのハムスターでした。


 爪きりでね、切ったんですよ。指を。尻尾を。手足を。鼻を。

 ぱちんぱちんと。


 温かい体から溢れる、生臭い血の臭いに。

 びくんびくんと痙攣する体に。

 ひどく興奮したのを覚えています。

 おかしいですか?


 ……でしょうね。皆さん、そう言います。


 でもね、わたしにとっては、電車のおもちゃで遊んだり、人形でままごとをするのと同じなんです。

 ええ、同じなんですよ。

 壊すことや殺すことは悪意があってのものではないし、罪悪感も感じないんです。

 ただの遊びのひとつなんですよ。


 ……なんですか?

 ああ、狂っていると?

 なるほど。そう見えるのかもしれませんね。

 でも、わたし自身は狂っているという自覚はありません。

 少数派である事は認めますがね。

 わたしにとっては、この行為をすることが正常なんですよ。

 ええ、そういうものです。


 蛙に、トカゲ、トンボに蝶……それからも色々な動物をバラバラにしました。

 たくさん外で遊んで、健康的でしょう?

 犬や猫も、たくさんたくさん。

 たくさん。

 やはり、虫より動物の方が楽しいですね。

 なにが、ですか?


 それはもちろん、鳴き声と鮮血ですよ。

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