第54話 旧友との再会

魔王城へ向かっていくと、徐々に魔物の数とレベルが上がっている、そしてそれに伴って滅びた国、町、村等が多く見られた。


そんな中クロス達は異様な気配を感じる村に立ち寄っていた


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~村~


クロス「ここはやけに妙だな」


フローズ「ええ、不思議な程にね」


ミク「メミル大丈夫?」


セシル「義姉さんは聖女だから、この辺りの邪気にやられたのかもしれないわね」


メミル「はあはあはあ」


メミル(違う!確かにクロスやミクとかと違って魔の気配に敏感だけど、これはその比じゃない!)


メミル(何か...もっと嫌な気配を感じる!)


クロス(...メミルがあそこまで衰弱している事を考えるとここに長いは無用だな、この気配の正体がわかったらすぐに出よう)


そう思いつつ彼らは村の中央に進んで行った


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~村の中央~


クロス「.....何もない....か」


気配は強くなっているが、肝心の正体がわからない、だが、メミルと違ってこの異様な気配に何故か覚えがある。


フローズ「ねぇ、クロス」


クロス「ああ、俺もそう考えていた」


ミク「?何か分かったの?」


クロスとフローズが何かに感づいたが、ミク達はわからない、それもそうだろう


これは前世のクロス達しか知らないことなのだから


しかし、どうやら限界が来たのだろう、セシルの呼吸が更に酷くなる


セシル「義姉さん.....本当に大丈夫なの?」


メミル「はあはあはあはあはあ」コクコク


最早言葉すら返せないのだろう、頷くことしか出来ていない。


クロス(..........これ以上は危険か、仕方ない)


クロス「セシル、ミク、義姉さんを連れて村の入り口まで行ってきて」


ミク「それは別にいいけど、クロスはどうするの?」


クロス「俺はフローズと一緒にこの気配の正体を見に行く大体の目星はついた」


ミク「本当!....でも大丈夫?」


フローズ「大丈夫よ、もしもの事があったらすぐに逃げるわ」


セシル「.....わかった、じゃあ待ってるから」


クロス「すまない、ありがとう」


そしてミクとセシルはメミルを連れて村の入り口まで歩いて行った


フローズ「.....さてと、そろそろ出てきてもいいんじゃない?」スタスタ


クロス「俺達だってわかってんだろ?」スタスタ


そう言ってある家に向かって歩きながら話しかける


???「..........」


クロス「.........流石に無視は酷くないか?"仲間だろ?"」


フローズ「そうよ、せっかく会えたのにそれは失礼じゃない?」


フローズ「..........魔王軍四天王の最強の一角、ダークエルフのシルフィ?」


クロス「そして、魔王グエン?」


...................................................................


???「わかった俺の負けだすぐに出るよ」


そう言って出て来たのは、かつて偽神レプリカを倒すために仲間になった魔王グエンと


???「はあ、仕方ありませんね、お久しぶりです、クロスさん、フローズさん」


同じく偽神レプリカを倒すために魔王について来た弓使い兼メイドのシルフィ


その実力はクロスとフローズが全力を出せたとしても互角に戦える程の実力者だ


だが、クロス達と同様に力が衰えている

のか魔力が弱い


クロス「久しぶりだな、グエン、しかしなんでお前達がここにいるんだ?お前魔王だろ?」


グエン「まぁ、それを話すと長くなるからとりあえず中に入れよ、ボロいけど」


フローズ「ええ、お邪魔するわ」


そうやって彼らは感動の再会にも関わらず酷く冷静だった。


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シルフィ「どうぞ」こと


クロス「ありがとう」ずず


フローズ「フー、おいしい」ごく


2人は椅子に座り、お茶をもらう、そして少し一息ついた頃にもう一度聞いた


クロス「ところでグエン、なんで魔王であるお前がここにいるんだ?」


フローズ「てっきり貴方はレプリカに捕まっているかもしれないと思ってたけど、ここにいるって事は魔王軍に追い出されたのね」


冗談でその事を言うと、グエンとシルフィは神妙や顔でこちらを見る


クロス「...詳しく話を聞こうか」


グエン「ああ」


グエン「まず、俺達は前世の記憶を取り戻したのは、レプリカが俺を従わせようとした時あたりだ」


グエン「その時はまだ俺は魔王の息子だが、父が死に新たな魔王を選ぶときにレプリカが現れたんだ」


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回想シーン(過去 魔王城)


レプリカ「どーもー」ひらひら


そいつはヘラヘラとしてて俺たちが新たな魔王を決める会議の時に魂の状態で現れ、まず最初に俺に取り憑いた。


グエン「グアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!???

?」ガダッ


魔族「!グエン様!?」


シルフィ「!?」ズキ


だけど俺はそれを弾き飛ばし、そして


レプリカ「あらー僕の憑依を邪魔できるなんて、不思議だねぇ?」


奴が正体を現した


レプリカ「つまないなぁ、もっと楽しませてよ♪人間と魔族の無意味な殺し合いをさ♪」


待て....どう言う事だ?

無意味な殺し合い?


グエン「どう言う事だ!」


それを大きく叫ぶグエン、既に他の魔族も戦闘態勢に入っていた


レプリカ「そんな怖い顔しないでよー話すからさぁ」


そう言ってレプリカはストックしていたのかある人形の魔物に憑依し喋り始める


自分が神であり、この戦争の火種である事を


————————————————————

現在


グエン「その数日後に俺とシルフィは記憶を取り戻した。」


シルフィ「それから、全ての魔族の皆さんにレプリカの正体を伝え、レプリカに対抗しようとしました、しかし」


そこで言葉を濁らす、それから先は大体予想がつく


シルフィ「相手は歴代の魔王を裏で操っていた神、そんな化け物と戦えるか と言い魔族は無干渉として逃げました、しかし」


グエン「意志を持たない魔物は更なる邪悪な気に従い、俺たちに反旗を翻した」


クロス「それでここまで逃げて来た....と?」


グエン「.....ああ、恥ずかしい事だが、記憶を取り戻してからは力がまだ完全に戻ってないんだ」


シルフィ「それに、私達はレプリカと戦った時はクロスさんとフローズさん、そして私とグエン様の4人でやっと互角、最早勝ち目はないでしょう」


フローズ「.........」


やはりと言ったところか、シルフィの話していた事はほぼ正しく、まだクロス達の力は戻りきっておらず、その状態で戦っても結果は目に見えてる


グエン「だからと言ってこのまま黙って見てるほど、俺達は甘くはない」


そう言ってこちらを見る


グエン「クロス、フローズ、命を賭ける覚悟はあるか?」


当たり前だ、そんな覚悟がなければ此処にはいない、そう言おうとしたが


クロス「..........何をするつもりだ?」


それがただレプリカを倒すための覚悟ではないことにすぐに気づく


フローズ「何を考えているの?グエンとシルフィは?」


シルフィは黙ったまま、グエンは先程シルフィにもらったお茶を飲んでいる、どうやら答えてから言うつもりらしい。


クロス「はあ、覚悟がなければ、こんな馬鹿みたいに命を賭けてないだろ?」


フローズ「それとも、グエン達はそんな事も覚えてないの?」


軽く挑発する、でも


グエン「覚悟はあるって事でいいんだな?」


そんな事はどうでもいいのか無視して聞いてくる


クロス「わかったわかったよ、あるよ、あるって言ってんだろ!」ハァ


フローズ「私も同じよ....それでその内容は?」


確認が取れて安堵したのか「そうか」と小声で言い安堵の表情を見せる、これは俺達しかわからない事だ。


グエン「ああ、内容って言うのは..........」


次の言葉に言葉を失う


「全ての力を取り戻すことが出来るかもしれないんだ。」


————————————————————

続く








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