第16話 アルテミス、両親に王城でのことを話す
「今日、お城に行ってみてどうだったのかしら、お母さんにお話しを聞かせてもらえるかしら」
「はい。王太子殿下と一緒に算術の勉強をした後に王太子殿下の剣術の稽古を見学いたしました。
剣術を教えておりました騎士の方から参加したいなら動きやすい服であれば、私にも稽古をしてくれると約束をしてくれました。
なので次に行くのが楽しみです」
「なんだと!王太子に剣術を教えているのは、騎士団長のマーレンだったな。
あいつ余計な約束しやがって、もしアルテミスが怪我などすることになったらただじゃおかないからな」
実戦で、怪我しないために稽古をするのだ。素振りだけをいくらやっていても実戦になったら感覚がわからず、役に立たない。
お仕事があるから仕方がないけど、お父様がほとんど稽古をつけてくれないから頼んだ。
「実戦で怪我をしないために稽古をするのです。
稽古で多少怪我をしたとしても実戦で役立てばいいのです。
お父様がお忙しいようなので、稽古に参加してもいいと言われたからいい機会なので、参加するのです」
「しかし……アルテミスは魔法が使えるだろう。
剣術を習わなくてもいいんじゃないか。
そうだ。剣術ではなく、王城で私が訓練をつけている者たちと一緒に魔法の訓練をしようよ。
そうすればアルテミスは魔法が更に上達するし、私はアルテミスと常に一緒に居られるからお互いWin-Winじゃないか」
お父様、いいことを思いついたみたいな顔をされて言われましたが、ただ単に自分の目の届くところに居させたいだけですよね。
「お父様。それでは私が王城に行く意味がありません。
王太子殿下は、人族なのですから魔法は使えないのですよ」
「丁度いいじゃないか。行く意味がないなら行かなければいいんじゃないか」
「カエサル。ラルフェーリア王国に戻れることになった時のためにアルテミスには、礼儀作法が必要なのですからここでは私やカエサルしかいないのですからできることに限度かあります。
王城に行けば、楽しみながら礼儀作法を学ぶことができるのですからいいことです」
「アルテミスなら可愛さで、礼儀作法ができなくても何とかなるんじゃないかな」
いやいや、いくら容姿が良くっても礼儀作法が全くできなければ、酷いことになると思いますよ。
寄ってくるのは、容姿しか見てないロクでもないやつばかりですよ。
「それでは結婚相手を見つけるのにも困りますし、不幸になるのはアルテミスですよ。
カエサルは、アルテミスに不幸になってほしいのですね」
お母様はわかってらっしゃる。
「アルテミスに不幸になってほしいとは、微塵も思っていないが、結婚はしなくていいと思っている。
いつまでも私たちの側に居ればいいんだ」
お父様。それはちょっと……
前世では、結婚も恋愛すら出来なかったのだ。
今世では、いつずれ恋して、結婚したいです。
「カエサル!!いい加減にしなさい。離婚してアルテミスを連れて出ていってもいいのよ!」
お母様の叫び声が部屋中に響き渡り、お父様は愕然としていた。
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