第5話 何を願うか
何を願うかについて考えてみよう。例えば、腕立て伏せを100回やるということを願って挑戦していくといずれそれは実現できるかもしれない。しかし、一日100回の腕立て伏せができるようになる、ということを願うとこのことは途端に難しくなる。ましてや、試合で相手に勝つ、となると才能や環境のコントロールできない部分の影響も受け、極論としては、自分以上にトレーニングを行った者はいないだろうというような感覚の中で大会を迎える他はない。
悔いなく生きることができるかは、そういった意味で自分の願いと密接な関係にある。
ここで問題になってくることは、願いというものは、上の腕立て100回やるというような地味な目標ほど、人間に作用しにくいということがある。すなわち、「私は東大目指します」のようなわかりやすい目標は、周囲の人々からの賞賛を得られる。一方、漢字練習を100ページやりますという目標は、へーそうなんだ。がんばってね。となる。しかし、実際どちらの方が同じ東大に前進しているかというと後者、すなわち漢字練習を100ページやりますの方なのだ。
ここに願いと現実の矛盾がある。
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