20話 いいよ (★あとがきに重要なお知らせアリ)



 諏訪すわ先生と寝た日の夜。


 俺はまっすぐに家に帰った。


 義妹である夕月ゆづきが、開口一番に、こういった。


「また別の女と寝たんだね♡」


 なぜ、わかる?

 夕月はニコニコと笑顔のままである。

 笑ってるのが怖い。


「あ、ああ……」

「そっかぁ。亮太くんはさすがだねぇ♡」


 なんだよさすがって……。


「あ、ご飯で来てるから、お風呂入ってきてねー♡」


 ぱたぱた、と夕月が去っていく。

 怖い。なんか、何を考えてるんのかわからなくて怖いわ……。


 俺は一人風呂に入りながら、これまでを思い返す。


 四葉とやったときも、夕月は特に何も言ってこなかった。

 その後も彼女と関係を持ち続けても、彼女の態度に変化はなかった。


 明確に彼女に変化があったのは、あのとき。

 みしろとやったかもいれない、という疑惑が起きたときだけだ。


「…………」


 夕月はあまり感情を表に出さない。

 だがあの時は明確に、怒っていた。


 いや、より正確に言うなら、おびえているように感じた。

 また奪われるとか、なんとか。


「なにが、あったんだろうな……あの姉妹に」


 思えば俺は夕月のことももちろん、みしろのことも、よく知らない。

 あの姉妹過去何があったのか……。


 夕月が、どうして俺が他の女とやるのを許容するのか。

 みしろが、どうして潔癖症になってしまったのか。


「…………」


 俺は風呂から上がる。

 すると夕月がニコニコしながら席についていた。

 テーブルの上にはうまそうな夕飯が載っている。


「さ♡ ごはんにしようよ」

「ああ、そうだな」

 俺たちは向き合って座りご飯を食べる。


「ね、亮太くん♡ いいよ♡」


 ふと、彼女が言う。


「別に、新しい女作っても、その子と何しても、いいよ♡」


 張り付いたような笑みから一転して、小さくつぶやく。


「……姉さんとしないなら」


 やはり夕月は姉との間にかなりの確執を抱えているようだ。


 しかし、みしろとしない、か。


「わかったよ」

「ん♡  良かった」


 心から、安堵の表情を浮かべる夕月。


「じゃあ明日は四葉ちゃんと先生とわたしとで、4人でやろうよ!」

「ああ、って! なんで先生が相手だって知ってるんだよ!」


 夕月はにぃ、と口のはしを釣り上げて、ミステリアスに笑う。

 

 ……まったく、この義妹は。

 本当に謎めいているところがあって、そこがまあ、惹かれるところなんだよな。


 親の再婚。

 俺にとっては衝撃的だった。でも今までも親父は結構好き買ってやってたし、特に驚かなかった。


 義妹の夕月ができたこと。

 これが、一番驚いたし、俺の価値観を変えるほどの大事件だった。


 きっと、この先もたくさん驚かされるし、俺も変わってくのだろう。

 目の前の広がっているのは未知の世界、けれど、不安を覚えない。


 俺は、今のこの状況を、どこか楽しんでいるような、気がしているから。



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★お知らせ【ノクターンで連載します】★


いつも今作を読んで下さり、ありがとうございます。


この作品、カクヨム様での公開を終了し、別のサイトで続きを書きます。



先週あたりに、運営様から警告を受けたからです。



ノクターンノベルス様で、エロ描写ありの【完全版】を投稿してます。


→ https://novel18.syosetu.com/n2492hm/


申し訳ありませんが、今後はこちらの完全版をメインに投稿とさせていただきます。


完全版では、カットされた部分(四葉・先生との初えっちなど)を加筆してあります。


あと修正によって削られたエロ描写も元に戻して、文字通り完全な状態でお届けする予定です。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


引き続き読んでいただけますと嬉しいです。

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