EP37 エコバイクと魔石
昌平橋通りから外堀通りを通り靖国通りを使って都庁まで行った。
混んで無ければ35分くらいで着く。
正面玄関前にバイクで着くといつもの部下に人が待っていてくれた。
バイクごとエレベーターで上がって大きめのホールに案内された。
フードの上から半キャップのとぼけたカッコのまま椅子に座って待った。
こんなに広い所でバイクと椅子にドリンクのテーブルで違和感ありありでソワソワしていると都知事さんと数名がやって来た。
『こんにちは』
「こんにちは、ご無沙汰してます」
『久しぶりだけどギルドの方は大成功しているようね』
『水道管もほとんど終わったみたいで業者は掘り返して見て驚いて居たわよ』
「そうですか、それは良かった」
そりゃ驚くよな新品の管が埋まってるんだから。
「今日は新たな試みで環境問題に直面している東京に力になればと思い見せに来ました」
取り巻き3人を紹介される。
東京都環境問題対策課長さん
東京都交通局課長さん
東京都特許申請局課長さん
みんな若手のホープらしい。
3人共何で呼ばれたかまだ知らされてないらしい。
忙しく中で呼ばれ少し困り顔だ。
都知事さんは
『だって始めに教えたらびっくりしないでしょ』
それじゃ面白くないじゃないとお天馬心が見え隠れしている。
楽しそうなワクワク顔だ。
『じゃ早速説明して』
「えーっと今回は化石燃料に替わる新エネルギーの試作バイクです」
『君、電気とかはもうあるよ』
『今更でしょ』
「電気では無く動力はこの魔石です」
「どうぞおひとつ手に取って見て下さい」
ビッグスライムの魔石を見せる。
『魔石ってお遊びに付き合っている時間はないんだよ』
『知事、もう戻っていいですか?』
『待ってよ、折角来てくれたのに最後まで聞かないのは失礼よ!』
『答えを出すのは最後まで聞いたからよ』
環境問題課長と交通局課長は勇足系の上から目線タイプか?
特許申請局課長はバイクに興味を示した。
『コレ!ハンターカブマンじゃないですか!』
『今なかなか買えないんですよ!コレ知事、半年から1年待ちのバイクです』
『カッコイイなあ』
『あら!凄いバイクなのね』
「たまたまキャンセルされたのをタイミングよく買えました」
『それで教えて下さいどこを変更しました』
それからはひたすら間近で特許申請局課長に説明しながら遠巻きに他の課長2人は腕組みしながら見ている。
今伝えた様にシリンダーヘッドを加工して魔石を取り付けガソリンの代わりに魔石から魔力を流してピストンを動かすと伝えた。
『そんなことで動かす事出来るですかね?』
「エンジンをかけて見せましょう」
始動時はセルモーターを使うので普通と同じ様にバッテリーでセルを回してエンジンをかける。
「エンジン音はガソリンより静かで排気ガスは出ません」
「完全燃焼です」
『嘘だ!ガソリン入っているだろう』
遠巻き2人は言う。
試しに特許申請局課長がガソリンタンクを覗くが入っていない。
『え?』
『ガソリンメーターもゼロです』
2人は慌てて駆け寄り確認したがガソリンは入ってないフェールホースは外してあるしエンジンに繋がっているのはプラグのみだった。
軽く室内をそれぞれ運転して見て目を丸くしている。
都知事さんから
『どうですかお3人さんこの新エネルギーは利用出来るかしら?』
環境問題対策課長さんは
『様々な問題が一気に解決します』
交通局課長さんは
『世界に先駆けた脱化石燃料を発信出来る』
特許申請局課長さんは
『コレはノーベル賞物の発明です。直ぐに特許申請を薦めます』
じゃあとは特許申請局課長と一緒に知事室にと移動した。
『ちょっと待って下さい』
『私は最初から感じてました』
他の2人は私も私もと食い下がった。
『色々決まってからプロジェクトのリーダーをお願いするかも?だからアイデア考え置いてね』
「忙しくなるぞー!」
「出世のチャンスだ!」
2人は速足で自分達のデスクに戻って行った。
「それじゃ知事室でそれじゃさっきは話せなかった事を教えて?」
流石何もかも読まれている。
3人で知事室へ移動した。
「えーっとこの魔石は福島のダンジョンから魔物を倒してゲットしました」
『ダンジョン?何それ?』
『え?ダンジョンですか?』
『ダダ、、、ダンジョン!』
「はい」
「5階層でスライムしか出て来ません。5階のボスの魔石です」
『スライム?何それ?
『ボボス?コレはファンタジーか!』
『とにかくやっけると貰えるわけね』
切り替えが早い
「そう言う事になります。」
問題は福島県なのよね向こうの県知事さんはこの事知ってて?
「いえ、まだダンジョンは未発見で人気の無い山の中なのでそう簡単には見つからないも思います」
「国もまだ知りません」
『それ東京には無いのかしら?』
しめしめとオレは思い
「探して見ましょうか?」
『エーーー!そんなに直ぐ探せるんですか?』
特許申請局課長は終始驚きのリアクションだった。
「多分あると思いますよ」
なんてわざとらしく返事をした。
『じゃ見つけて来てよ〜」
と都知事さん。
東京都が保有している山林を地図上で教えて貰った。
奥多摩辺りで良いかな。
バイクで行ける感じのところで民家から離れた地域で鉱山、露天掘り跡がいいなと考えた。
その後魔石についての今後の取り扱いと、現時点で考えられる全ての特許申請を行う事、国に対して伝えるタイミングとか詳細を詰めた。
国からストップが掛かるのは目に見えているから色々進めて8割がたプロジェクトが進んでからコールアウトする事にした。
取り敢えず東京都の交通、車、電車、発電、施設電力など全て新エネルギーに変換する。
それぞれハイブリッドにしていつでも切り替えられる様にする。
いきなり電力会社に来月から要らないとは言えないし、それこそ大事になる。
それとコールアウトの前に各自動車メーカーにプレゼンと称して新エネルギーを提案するのはどうかと面白い提案の話をもらった。
コレは面白い。
世界どこの国もEVシフトでガソリン車の製造にストップをかけて来ている。
日本のCo2削減目標達成には車社会の転換は絶対に必要だ。
ダンジョンから魔石を取って来るのはオレの役割か?ショップから購入する?魔石がたくさんドロップする設定に出来ないかな。
魔物も多少強くしないと質の良い魔石がたくさん手に入らないからな…
都知事さんに奥多摩辺りで探索用拠点を用意してもらった。
元木工所の跡地で母屋、作業場、倉庫二つ(体育館くらい)の広い土地で側に山からの綺麗な川が流れている。
ヤマメやニジマスかいるらしい。
土地のなかを流れる川も裏山も全て敷地で集落からは5キロ離れているのでうるさくしても大丈夫らしい。
ちなみにこの土地は後でオレの名義にしてくれた。
水道管のお返しだ。
やったね!
空いている土地にキャンプ場を作ろう。
異世界の村っぽい感じに手を加えよう!
キャンプベース作りの為に建設石材、木材に空いた時間や移動中に足を伸ばしてたくさん集めた。
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