EP19 子悪党の討伐
いつものランニング&ゴミ拾いをしながらマップを開きマーカーを確認する。
さすがに紫は23区にはもういない。
ピンクも減らしてはいるが何せ数が多い。
今日はピンク/飲酒運転常習者、空き巣、自転車泥棒、痴漢盗撮犯などを成敗する。
朝は痴漢盗撮犯を追いかけ裏道でデリート!
始めは電車に乗って探索したがマップがあるから駅の出口で待っているだけでいい。
山手線の一駅づつ消去法で殲滅している。
残りは今日、品川、大崎、五反田だ。
最近、奴らのサイトやスレで仲間と連絡が取れないとざわざわしてきた。これを機にもう辞めると言う奴らが増えた。それはそれで抑止力効果で良しとする。
昼からは空き巣を成敗する。
あいつは下見と称してスーツ姿、運送屋姿、ランニングなどを隠れ蓑にしてウロウロしてるからマーカーに向かい追いかけないと捕まらない。なるべく空き巣犯が仕事をする前にデリートしないと厄介だから。
一度部屋に戻って夜になって飲酒運転常習者、自転車泥棒を駆逐する。
そんな時、ハチクロから念話が!
『主人殿の近く17時の方向から棒を振り回した女1名、警察らしい人物が近づいてくると言われた』
ただし制服組じゃない様だ。
オレはやり過ごすことにした為、隠密に気配遮断を発動した。
高校生くらいのおかっぱ頭の女の子だった。
『ふんっ、ありゃ、悪霊退散、南無阿弥陀仏、ホンエンサカラ、ふんふんあー!』
(ビュワン〜、ブン、ブン、ビュー)
何やら棒の様なものを振り回しながらぶつぶつ言って近づいてくる。
「あれはやばいヤツだろう!」
『ナムサンラダマンダー、ふん!ふん!』
『たしか、最近の犯罪率が著しく低下しているのはここの辺りなんだけどなぁ』
『コソ泥を捕まえるのにはいい時間帯なんだよな』
「やばい!完全にバレている」
なんなんだこの女子校生風おかっぱ頭は。
鑑定!!
【警視庁特捜999課】
東京事変課(通称スリーナイイン)巡査:
【天照三國 (あまてらす みくに)18才】
特捜最年少女性巡査
パソコン、スマホなどを使った捜査を得意としその類稀な観察力、分析力で犯人を追い詰める。元べリングキャットだ。
「なんだか凄いの来たよ!」
「999課ってどんだけ〜〜」
今は出てこなくていい緊張感が緩む。
「オレの事を調べている警視庁の人物か」
オレは彼女にフラッグを立て地図上でいつでも居場所を特定出来るようにした。
するとハチクロが彼女の前に降り立った。
多分顔を確認しているのだろう。
街灯の灯りの下に降りて来た小さな八咫烏に目を奪われた。
「足が3本あるからな初見じゃ普通驚くよな」
「一応神話の鳥だもんな」
小さく(カーー!)と鳴いて飛んで行った。
『主人殿!此奴のアジトを確認して参る』
と言ってハチクロは闇夜に姿を消した。
オレは見えなきゃ分からんだろうと彼女から5キロほど距離を取りながら成敗を続けた。
今日は
飲酒運転常習者5成敗 ギルドポイント120
空き巣11成敗 ギルドポイント83
自転車泥棒3成敗 ギルドポイント3
痴漢盗撮犯9成敗 ギルドポイント180
罪の重さと被害者、想定被害者が多い大きなほどポイントは高い傾向があった。
【ギルドポイント】
合計386
累計7.369
「やっぱり子悪党ではポイントが貯まらないのか〜」
オレはいつの間にか成敗することよりポイントを貯めることで頭がいっぱいになっていた。恐ろしいポイントの呪いのにかかっていた。
(ブルブルブンブル…)
はっと顔を上げ首を振った。
ポイントの沼に片足を突っ込んだ所で無事に脱出出来た。
帰りに怪しそうなロングコートを着た若者がいた。
「カラーは付いてない?」
若者は塾の帰りであろう女子高生の前に立ちはだかりコートをはらりひらり
『キャーーー!』
『変態ーー!』
『あははは、うひゃ、ひゃ、ひゃ』
慌てて女子高生は逃げ出した。
直ぐに露出狂の若い男を捕まえデリート!した。問答無用の初犯の現行犯だ。
露出犯(初犯)1 ギルドポイント1
ウィルス禍でストレスが溜まっていたのだろうがコレはいかんぞ!やられた相手はトラウマになる。
向こうで好きなだけ魔物相手にするがいい。
アイツ全裸だけど大丈夫か生き残れるか?
「がんばれ!」
もしかしてだけど〜
もしかしてだけど〜
イチモツを見せて〜
魔物が怯んでるんじゃ無いの〜
そういう事だろ!
【ギルドポイント】
累計7.370
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