EP4s 復活の呪文?

202◯年冬から謎の風邪が流行り出した。


丁度受験シーズンで風邪を引かないよう

マスクに消毒、手洗いうがいと注意していた。


どうやらこれはいつもの風邪ではなく未知のウィルスらしいとネットが騒ぎ出した。


薬局からマスクや消毒液が消えた。

「げ!ここにも売ってない完売か〜」


そんな状況下での大学生活のスタートだった。

「もう最悪だよ…」


オレの東京ライフはスタートからつまづいた。


「マジか〜せっかくスーツ用意したのに」

大規模イベント等の中止で入学式は中止となった。


その後、講義はリモートになりオレの東京キャンパスライフはこの8畳間となった。


「こんなはずじゃ…」

「今頃、新歓コンパやらなんやらで東京ライフを謳歌しているはずが…ついてない」


友達すら作れない完全に孤独な存在だ。


寂しくて仕方がない。


マスクが品薄であまり外にも出歩けない

「まだ入荷未定か…」


GWにかけて国は緊急事態宣言に入った。

(国民の皆さんへ不要不急の外出は避けて下さい!)


同じ田舎から東京に出て来た同級生たちと連絡を取り合い助け合った。


オレはすっかりステータスや収納BOXの事を忘れていた。


というかそれどころじゃない騒ぎに世界中がウィルスに蹂躙されていた。


ヒマな時間が多くなり思い出したかのようにあの本を読むことにした。


「何から読むかな…」

どれもこれもふざけた題名で今のいままで読む気になれないでいた。


「こんなご時世だからマッスル!ハッスル!ボディメイクにしよう」


部活を辞めて東京に来て緊急事態宣言で外に出ることが減り運動不足だった。


本の半分くらいは訳の分からない人物の語りで筋肉と私の出会いとかだった。


おすすめプロテインだったり

その人物の一日や一週間のルーティーン

写真付き、美しい身体を保つ秘訣。


「夜の必殺技?」

「ぶっーーーーー!」

オレにまだ早いぜチェリーだからな。


題名どおりふざけた内容であったがなぜか読み進めてしまった。


半分くらい読み進めると…

「キターーーー!」

復活の呪文。

(ヤルススウコチトミネヒカリ)


オレは読み上げる!


【大和タケルは身体強化 Lv1を取得しました】


【名前:大和タケル】

レベル: 0

種族: 人間

職業: 大学生

HP/ 15 (+10)

MP/ 10 (+10)

STN: 8(+10)

VIT: 5

DEX: 4 (+10)

AGI: 6 (+10)

INT: 8

MGC: 3

CHA: 10

LUK: 50


【スキル: 】

収納BOX Lv1

言語解析Lv1

身体強化 Lv1


オレは直ぐにステータスを確認した。

「どれどれ…」

「うんうん…」


ステータスのいくつかの項目に補正がついていた。


「+10かなり増えているな」


「今のところ身体に異変はないな…」

「力が漲る感じもないし…」

「身体の中心当たりが温かい感じもない」


だからしばらく本の事を忘れていた。

なんにも起きないからだ。

夢でも見たのかと思っていた。


部屋のベッドを持ち上げてみた!

「よいしょ!」

「やばいよ!」

「やばいよ!」

「大和やばいよ!」


「まじかーこれ?」

軽く持ち上げられた。


この前来た引越し屋さんは2人で重そうに3階まで運んでいた。


ベッドは無◯良品の足付きマットレスのシングルだ。


位置を動かすことは出来てもひょいっと持ち上げることなど出来ない重さがある。


その後…

本の内容は各能力の数字の上げ方や

ほぼ広告?

最後のページには読者アンケート用紙のハガキサイズがついている始末だった。


「どこに送るんだよ!」

とツッコミたくなる。


とにかく能力値を上げるには筋肉を追い込む、バンプアップさせるらしい。


用は身体を使い動かせと言うことだ。


次の本は今日からあなたもなんでも鑑定団!ページを捲り読み進める。


私と骨董の出会い、偽物をつかまされるのも経験、骨董サークル活動会員募集、広告、読者アンケートで以上!


「って復活の呪文はないんか〜い!」


頭きて壁に投げつけた。


壁紙が凹んだ、、、


「たま余計なこと、、、」


本を拾い上げこれ

「本当に鑑定の本なのかよー?」


疑いながら本全体的を調べると本がわずかに発光した。


「なる程、こういう事か」

鑑定する事で隠れたページが光を放つ

(キラキラ〜キラ〜)


ページを捲り

(マハノクテテホイカイカポンコ)


「キターーーー!復活の呪文!」

オレは読み上げる。


【大和タケルは鑑定 Lv1を取得しました】


【名前: 大和タケル】

レベル: 0

種族: 人間

職業: 大学生

HP/ 15 (+10)

MP/ 10 (+10)

STN: 5(+10)

VIT: 5

DEX: 4 (+10)

AGI: 6 (+10)

INT: 8

MGC: 3

CHA: 10

LUK: 50


【スキル: 】

収納BOX Lv1

身体強化 Lv1

鑑定 Lv1


早速部屋にあるカップ麺を鑑定してみた。


名前:日◯カップヌードル醤油味

種別:食料品

備考:そのまま食べれるがお湯を入れ3分待った方が美味しい。体力回復小

売値:銅貨2枚


「って!おい!当たり前じゃんかよーーー」


また失態を犯してしまった。


見た目で分かる物、既に知っている物を鑑定すればそりゃそうなるだろ。


「そうだこの本を鑑定して見よう」

「銅貨2枚っていくらだよ!」


【名前:きてます!イリュージョン!基礎魔法編】

種別:魔導書

備考:基礎魔法を習得することができる。ただし1回限り。

売値:金貨20枚


「すごいアイテムじゃんか!」

「魔法が使えるようになるのか〜こりゃファンタジーだな」


「しかし、これってお高いんですね〜」

「金貨っていかにも高額なイメージだな」

「鑑定はまあ使い方によっては便利かもな」


購入前にネットで最安値とか調べずに済むし変な偽物を掴ませらなくていいかもしれない。


東京では初め田舎者は騙され易いから東京ライフには必須スキルだと思った。


ただコメントが普通過ぎるのはスキルのレベルの問題だろう。


本を2冊読んでお腹が空いてきた何か食べよう!


トーストを焼いてマーガリンを塗ってから

その上からきび砂糖をかけ塩をちょっとだけ落とす。


オレはこのジャリパンが大好きだ。

コーヒーを入れ塩気のある物、、、

ポテチも食べよう!うすしお味。


朝食からなんて贅沢をしているのだろう。


甘いのからしょっぱいのへの無限ループ♾

至福の時…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る