第105話 忘れる
もう愛せないと云うのなら
あたしを忘れて
あなたの世界から
あたしという存在を消し去って
あたしなど居なかったことにして欲しいと
ずっと願っていた
悲しくて悔しくて
最後に選ばれなかった自分が
だから忘れてと
そう思い続けることが
何よりも
彼に囚われていることだったのに
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