第52話 残す

あの人との恋は

ほんの数日

一冬ひとふゆにも満たない短いものだった


あたしが恋心に気づいた時には

二人の別れは目の前に来ていて

決まっていた諸々の事柄に

流されただけの短い恋


それなのに

他のどんな恋よりも

他の誰よりも


あの恋は

あの人は

あたしの心の奥深く深くに

残っている





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る