09‐02「ライブを続けて」 第九話完
今田市市民ホール。
4階建ての建物は空是が思っていたよりも大きなものだった。
前庭に受付用テントが張られていて、そこに客が集まっていた。空是と友禅時もそこに向かった。
携帯を出して受付チケットの照合を行うと、フェイスグラスのレイヤーチャンネルが自動的に登録された。
「リリリリチャンネル」と名付けられたそのレイヤー。フェイスグラスは基本的に標準チャンネルに合わさっている。全員がそれを見ることができるメタアースの基本世界だ。
それとは別に、イベントごと、室内ごとにプライベートレイヤーを作ることができる。そういったものはパスワードロックがかけられていて、関係のない人間には見ることができない。他者が不快だとかなんとか、文句をつけられないための措置だ。
室内ではなく屋外でのイベントでプライベートレイヤーを登録するためには役所に届けなければいけない。いわゆる公序良俗に反するものを表示させないためである。
空是はレイヤーチャンネルの切り替えを承認した。
「ほー」
周辺の光景が変わった。
ただの市営コンサートホールだった建物には賑やかなグラフティが書かれ、それがアニメーションしている。建物の向こうからりりりのディフォルメキャラの大きなバルーンが怪獣のように顔を出している。建物へむかう動線をりりりのアバターと本人のホログラムが何人も並んで作っている。
無味乾燥だった市営建築物が、一瞬にして楽しげなパビリオンに変貌した。
「すごいねこれ、デザイナーとかいるのかな」
空是の興味は作り手の方にあった。
「最近はどの事務所も凝ってるからな。こういうところに金をかけられるかどうかで違いが出てくる」
褒められたと思ったのか、友禅寺が少し自慢げに説明した。
空是の横をしゃなりしゃなりとした物が通った。それは大きなミノムシのようだった。
「友禅寺…あれは」
「ああ…あれは…ファンだ…」
今度の友禅時は口を濁した。その大きなミノムシは、全身にりりりの缶バッチやらチャームやらストラップを短冊状に並べ、頭の先から足元まで届くグッズの蓑を作って着ている。
とはいえ現実のグッズではなく、バーチャルコスメグッズの一種だ。メタアース内にだけ存在しフェイスグラスの、それもプライベートチャンネルに合わせないと見ることはできない。つまり、かのアイドルファンは、現実世界では普通の格好なのだが、レイヤー越しに見るとアイドルグッズの妖怪として見えるのである。
「アレを作るのには、万単位かかる。それだけの…思い入れを表現しているんだ」
友禅時の口調にファンとしてのアンビバレンツな感情があることは空是にも感じられた。
よく見ると会場へ向かう前庭にはおなじようなミノムシが何人も歩いている。
「神無月に集まる神様みたいだね…」
空是のそのたとえに友禅寺もうなずくしかなかった。
空是は友禅寺の持っているバッグにも、りりりアイテムがひっそりと表示されているのに気づいたが、何も言わないでおいた。
「座席あるんだ、ライブって言ってるから立ち見だと思ってた」
ホール内に入った空是達。ホールは舞台に向かって階段状に下がっていて、朱色のシートがぎっしりと並んでいた。そこはライブ会場と言うよりも、コンサートホールと言った感じだった。
「そりゃ、ここは市営のコンサートホールだからな。普段はそれこそ学校の演奏発表会とかで使うとこだから」
友禅寺と並んで席につく。隣りにいる空是のそわそわ感が伝わってくる。
「そわそわして、便所か?」
「違うよ、こういうとこでライブとかって、初めてって言ったろ。なんかすごい興奮してきた」
興奮を素直に伝えてくる空是。
「ふん、楽しみにしとけよ。お前にだってりりりの良さは伝わるはずだからな」
友禅寺はファン代表としての彼氏面であった。
客席がどんどんと埋まっていく。ゲームという文化に全精力を傾けていた空是にとって、初めての音楽文化との接触であった。初めて触れる空間に緊張と興奮を等しく感じていた。
ライブが開始された。
会場が暗くなり、ステージの幕が開く。
ステージの上は空っぽだった。ライブのためのセットや楽器もない。両脇に大型のスピーカーが設置されているだけだった。
しかしそのステージの四方に空間ホログラム用のARレンズの小さな光があることを空是は気づいた。
真っ暗なステージに、小さなうさぎが迷い込んできた。そのうさぎはリアルな形と動きであったが、自ら発光してる。
ステージをくるくると回ったうさぎは突然大きくなり始める。大きくなって人間サイズになったところで、その首を自らカポっと外して、中からアバタータイプの「朝里りりり」が登場、挨拶一発ののち、最初の曲が始まった。
うさぎのきぐるみをバッと脱いで(脱いだきぐるみはまた等身大のうさぎになってバックダンスを担当する)歌い出した声は、わざと一昔前の機械合成ボイスっぽいニュアンスを残していた。
会場は最初から大盛りあがり。りりりの地元ということで、ファンも活気がある。
ファンは両手を上に掲げて手を振る。その手にはネオンライトのグローブが付けられてて客席全てが色のついた光の波になる。
空是は自分のフェイスグラスが起動中であることに気づく、ファンの手についているのはバーチャルコスメの一種、ペンライトがメタアース仕様に進化したものだ。そのグローブライトは手の動きに合わせて変形し、曲に合わせて色が変わった。
空是は自分の手に光がないことを確認し、隣を見たら、友禅寺が両手を光らせて必死に手を振っていた。
空是が手持ち無沙汰であることに気づいた友禅時は、携帯を取り出し会場限定のオンラインショップから「サイリュウムハンド」を一つ購入し、空是の携帯に投げ込んだ。
礼を言った空是はそれを起動する。両手に光のグローブが生まれる。それを友禅寺の動きに合わせて振り始めた。(ステージはARレンズで作られた誰にでも見える立体映像であるのに対して、サイリュウムはプライベートレイヤーチャンネルに表示されているコスメアイテムなので、フェイスグラス越しにしか見えない)
曲が1コーラス終わった時にステージに変化が起こった。
背中を向きしゃがみこんだりりりが、くるりと立ち上がった瞬間に、アバターだったものがステージ衣装を着込んだ本人に変わった。その演出に会場は大喜び。
「りりりーっ!」
隣の友禅寺も名前を呼んで大はしゃぎだ。
その後はアバターと本人がデュエットや掛け合い、はしゃぎ合いとダブルの「りりり」が一人で二人のステージを繰り広げた。
空是は感心していた「なるほど、アバターを使うことで一人で二人というエンターテイメントを作れるのか」どうしても仕組みの方に気が行ってしまう空是であった。
(あれは事前に撮影した動きのデータに人間が合わせているのか、それとも人間の動きに合わせてAIが自動調整するのか…掛け合いは台本を元に作っていると思われるが、もしかしたら別の人間が合成音声でライブに話している可能性もあるな…)
ライブの前半が終わり、休憩時間になった。興奮冷めやらぬファンが実物の物販やオンラインの物販で買い物をしている。
空是はジュースを二本買い、休んでいる友禅寺に先程のサイリュウムの礼として渡した。
「どうよ」
友禅寺が感想を聞いてきたので、空是は先程まで考えていた、りりりという存在の仕組みの面白さについて語った。
「う~~~ん、変なとこ見てんだな、お前」
期待していた楽曲の感想ではなかったが、認めて褒めているのを感じたので友禅時は納得した。数年前までは一流ミュージシャンのコンサートにしか使われなかったホログラムステージが、今では地方アイドルでも使えるようになった。そのステージの工夫もアイドルとしての個性に繋がっている。「本人+アバター」という個性を強化するステージ演出はりりりの強力な売りでもあった。
「でも、アバターでアイドルやってる人で、本人が出てくるって珍しいよね。それにこうやって生でライブするのも。普通、オンライン上でやるものでしょ」
「オンラインでもやるけど、現実でもやる。いつもはメタアース内で応援してるけどさ、こうやって現場に来ると…」
友禅寺は先ほど感じた事を言葉にしようとしていた。
「俺の声で直接、彼女を応援できる。それってやっぱりメタアースの中じゃできないことなんだなって…」
かぎりなくリアルなメタアースであったとしても、現実の距離感を克服することはできない。人間は「現実の距離」という身体感覚を捨て去ることはできないのだ。
ライブの第二部が始まって、しばらくした頃だった。空是もアイドルライブのノリというものにだいぶ慣れ、動きから照れが消えかかった頃。
「キャーー!」
ステージに乱入者が現れた。
乱入者といってもアバターの、である。
空是は最初、それを演出と思った。周りの反応もそういう感じであったが、その乱入者、パンクな格好をしたロボット兵士、がいつまでも居座りセットを破壊し始めた頃から、これが演出ではないことに気がついた。
ライブを邪魔する兵士にブーイングが飛ぶが、乱入者そんなことはお構いなしだった。りりりのアバターが消え、怯えた本人だけがステージに残っていたのをスタッフがステージ脇に連れ出した。。
空是は友禅寺に引っ張られて会場の外に連れ出された。
「あの、クソっやろう!ライブ邪魔しやがって!」
突然の乱入者はどうやらりりりに敵意を持つ悪辣な元ファンのようだった。友禅寺は怒り心頭と言った状態だ。
「警察がそのうち来るよ」
「バカッ警察がきたらライブが中止になるだろ!」
友禅寺にとって乱入者の嫌がらせによるライブ中止は絶対に許せないことのようだ。
「それに警察が来たってアバター対応できないだろ」
警察のメタアースへの対応力の無さは問題になっている。問題は全てメタアースの運営AIに丸投げという状態であり、さらに昨今の無記名戦争の被害を政府が保証しないという立場であることから、警察はさらにメタアースに対して不干渉という立場を強めている。
「俺達でやるんだよ、来い!」
「どこいくの?」
友禅寺は空是を男子トイレに連れ込んだ。
二つあった個室の一つは使用禁止であったため、やむなく二人で一つの個室に入った。
「どうすんだよ?」
「俺達のアバターであいつを倒す。さっさと終わらせてライブを続けてもらうんだ」
友禅寺はフタをしめた便器に座り、空是はドアに背中を預けて向かい合って立っていた。
「でも、どうするんだよ、クリッピングフィールドで閉じてないとアカウント丸出しだよ。僕らだってすぐバレる」
メタアース内では安全のために全てのアバターはアカウントが確認できるようになっている。クリッピングフィールドで閉じられた「戦争状態」になると敵味方双方のアカウント情報は強制的に非表示にさせられる。
「あの暴れてる奴もアカウント丸出しだけど、どうせどっかの漫喫の回線でも使ってるだろう。一時的な身分詐称だ、すぐに足がつく。俺たちはもっと高度な手段を使う。偽装アカウントだ」
その時、二人の間に文字通り割って入るように通信画面が開いた。エントだった。
「友禅寺、その偽装アカウントプログラムは、君の潜入作戦の時に供与したものであって、君が好きなアイドルの白馬の王子様になるために渡したのではないぞ」
「見てやがったのかよ、エント」
「当たり前だろ。私と契約した以上、君たちに一般人のようなプライバシーはない」
嫌なこと聞いたな、と空是は思った。
「いいだろ?どうせ一分で終わる。武器も使わない」
「軍事レベルのソフトで暴漢をタコ殴りして英雄になりたいのか」
「エント、僕からも頼むよ。だいたい君が持ってきたライブのチケットなんだよ」
「それは関係ないだろ、空是。…まあよかろう。空是の入隊祝いとして三分間の私用を許可する」
「やった」
友禅寺は喜んだが
「あ、入隊祝いをくれるなら、もっと別のものがいい」
「おい、空是!」
「冗談だ。じゃあ使うよ」
「好きにしたまえ。正義感を暴走して一般人を半殺しにしたまえ」
「しねーよ。いくぞ空是」
「了解」
トイレから、二人のアバターが飛び出した。
騒然としている会場、乱入した兵士はホログラムセットを破壊し尽くし、ステージの中央で客からのブーイングに卑猥なハンドサインで答えている。
りりりの本体はスタッフ達がステージの脇に避難されていから無事だ。
もはやライブはこれまでか、ホールの全ての人と、そして犯人が思った、その時
「待てーい!」
ステージ二階席の縁に二人のアバターが立っていた。
スポットライトが当たり、二人の勇士を照らした。
スポットライトはエントが施設をハッキングして動かしている。気が利くAIだ。
「誰だ?」「ヒーローだ!」
その登場はどこからどう見てもヒーローの登場であった。
空是のアバターは全ての武装を外しエッジの効いた筋肉のラインを持つ白いヒーロー。普段なら顔が出ているのをマスクのコスメで隠している。友禅寺のアバターはそれよりもさらに攻撃的なフォルムの戦士だ。大きさも2メートル近くあるため迫力がある。
彼らが使っているのは戦争用アプリWAR:KER:GIGではなく(戦争アプリはカレンシーAIの傭兵依頼を受けないと使用できない)、一般的なアバターアプリだ。ただし格闘や破壊が可能という改造済みアプリで、その改造方法も一般に出回っている類のものだ。少しアプリに詳しいキッズなら手に入れている可能性は高いものである。
「俺たちのりりりのライブを破壊する狼藉、決して許さん!」
アバターが友禅寺の本音を叫ぶと、同意見の会場の客が一斉同意で爆発した。
「やっちまえー!」
という過激な意見の客席を飛び越してステージに着地する二人。
そのヒーロー然としたアバターを操る二人はトイレの個室にいた。狭い室内で足を絡めるようにして座っている二人。友禅寺はともかく空是は操作環境をよくしようと背中をドアに押し付けて中腰になっている。
「ああ!なんで僕がバーチャルパッドなんか使わないといけないんだ!」
「お前、ほんとに嫌いなんだな、それ」
ライブステージでヒーローショーが始まった。アイドルを守るヒーロー二人対怪人兵士一体。
プロのギグソルジャーとなっている二人の少年にとって、これは楽勝な戦いになると思っていたが、
「あ、こいつ絶対まともなゲーミングデスクで操作してる!」
空是が言うように、敵の動きはなめらかで切れがあった。フローターマウスを使った正式な戦闘操作系を使っているのは明らかだった。対して空是たちは
「こんなパッドで戦えるかぁ~~!」
空是は操作系への憎しみで、自分の携帯をへし折りかねない勢いだ。
「お前、どうかしてるぞ、その憎しみよう…」
二人は苦戦していた。携帯のバーチャルパッドでフルスケールの人間キャラを操作するのは、さすがのプロであっても難易度の高い行為であった。言うなればファミコンの2ボタンパッドでモンスターハンターをやるような状態である。
「エイムが!エイムが!」
普段、最高の環境でだけゲームをやっている空是が沸騰している。
「うるせーぞ空是!」
男子トイレの個室からゲームをしている二人の少年の怒鳴り声が響いている。
しかし、そこはプロゲーマーである。
その対応力は素人を遥かに凌駕する。
操作が通常の半分しかできないのであれば、二人で分担すればいい。
一人の単純な操作から繰り出される単純な攻撃も、二人がコンビネーションを駆使して交互に行えば、それは華麗な動きへと昇華される。
「おおおお!」
お客が盛り上がる。二人のコンビネーションのギアが噛み合ってきたのだ。
AボタンパンチとBボタンキックを二人が交互に行う。そのタイミングがどんどん早くなる。
ABABのコンビネーションが
ABBAABコンボへと進化する。
「いっけー!」ステージ横のりりりが応援に加わる。
ABABBAAABABABコンボ!
BBABBAABABABBコンボ!
数十発におよぶ連続コンボが決まった。アバターのダメージ許容量を突破し、乱入者のアバターはステージ上で木っ端微塵になって消えた。
「やったー!」
ステージ上のアイドルもスタッフも会場のお客も全員が喜んだ。
りりりがヒーロー達に駆け寄る。
その喜んだ顔をフェイスグラスのモニター越しに間近でみる友禅寺は固まっていた。
「ありがとうございます、あの、お名前は?」
姫が騎士にその名を尋ねた。しかし固まっている友禅寺は答えられない。代わりに空是が
「ただのファンです。名乗るほどのものではありません」
と答えた。友禅寺もなにか言おうとしたが、それで良しとした。彼は片手を彼女の方に向けて伸ばす。
りりりはそのメタアース上の手のひらに現実の手のひらを合わせてみせた。
観客たちもひときわ大きな歓声を上げた。空是たちはその場から飛び出し、空中でアバターは姿を消した。
トイレの個室でへたり込む二人。
「ふーなんとかなったな」
「こんなパッドじゃなければ、もっとうまくいったはずだ」
「まだ言うか、お前は」
ようやく、二人は笑顔を交わした。
ライブが終わり、会場を後にする二人。フェイスグラスのプライベートレイヤーの仕様が終わり通常の街並みに戻る。空是の両手にあったサイリュウムハンドも消えた。
「変な事件もあったけど、面白かったよ」
「ああ…そうだな」
空是は初めてのイベントを純粋に楽しんだ。
友禅寺は少し違った。彼にとっても誰かと一緒にアイドルのイベントに行くということが初めての体験だったのだ。そしてそれは、楽しいものであった。
「犯人捕まったみたいだぞ、漫喫にこもってアバター飛ばしてたって」
ファンたちの会話が聞こえてきた。
空是と友禅寺は目線を交わして肩をすくめた「そんなことだろうと思った」と。
街を並んで歩く二人、突然友禅寺が語りだした。
「俺んち、金持ちだったんだ」
「だった?」
「やられたんだよ、戦争でな、家を。まあ丸ごとやられちまってな」
その境遇に空是は思い当たるところがあった。自分の境遇と同じだった。
「それまでは、親が金持ってるからって、親の金でバンバンりりりに課金してたんだ。アホみたいに。でも戦争で金とか株とかなんとか、全部同時になくなった…」
友禅寺の話を神妙に聞いている空是。
「家にいても、俺、役に立たないからさ。エントの誘いは嬉しかった。自立したほうが役に立てるし」
「うちと同じだね。額は違うと思うけど」 「そう!額が違う!」
友禅寺はそこだけは強調した。
「お前なー」
「飯食おうぜ。駅いきゃなんか店あるだろ」
「そうだな、自分で稼いだお金で飯食って帰るか」
二人並んで、駅に向かって歩いていった。
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