第6話 力の重さ
なんか何処かの魔法少女のマスコットの様に「僕と契約しないか?」なんて言い出したけど、美味い話には裏があるってよくいうしなぁ、いきなり契約して裏切られても嫌だし断るか。
「──助けてくれたのは本当に感謝している。だがその
「ああ、変わるとも!僕と
何故か妖精王というところを強く強調して
ただ、幸太はそんなネロのある一部など見てはおらず
(──「スキル」……か。欲しい、欲しいさ。本当に比喩表現とかではなく喉から手が出るほどに。でも、なんかそれも違うんだよなぁ)
簡単に「スキル」が手に入ってしまうのは少し違うと思った。
なので──
「──いや、俺は断る。俺だって簡単に「スキル」が入るんだったら欲しいさ。欲しいけど……なんか違うんだよ」
「……」
幸太の話を聞いているネロは特にその言葉に反応をしなかった。なので、話を続けた。
「何言ってるんだって思うかもしれないけど言わせてくれ。力ってさ、そんなに簡単に手に入って良いものじゃないと俺は思うんだ。何かを成して自分で|頑張って得たものこそ本当の力なんだと思う。ただ貰うものなんて「運」が良かっただけ。それに借り物に過ぎない物だと俺は、そう思う。だからお前とは
幸太はネロの提案を堂々と否定をした。その事により流石にこんな事を言ったら「怒るか?」と思っていた。
だが、次の瞬間──驚いた。
さっきまで無言を貫いていて何を考えているのか分からなかったネロがいきなり笑い出したのだから。
「アッハハハハッ!君、最高だよ!そうだよね簡単に手に入れたものなんてただ「運」が良かっただけだ!そう!その通りさ!!凄いなぁ幸太君は。
俺は俺が考えた答えを出しただけなのに、腹抱えて笑い出したぞ?今の答えで合ってたのか?
「本当に、本当に久々にこんなに笑ったよ。そんな幸太君には何でも一つお願い事を聞いてあげよう!何でも良いよ?時間はある。じっくり考えると良いさ」
「何でも、か──」
その言葉には今の幸太にとても魅力的な響きに聞こえた。
(──願い事か。ここから出して欲しいって言ったら多分出してくれるだろう。だがそれで本当に良いのか?ずっと「ダンジョン」に行きたいって思ってた。それがこんな形だが成されて今、俺はここにいる。ならこんなチャンスを逃して良いのか?──いやダメだ。恐らくこれが最後のチャンスだろう)
そんな事を幸太はうんうん唸りながら考えていた、その姿を何が楽しいのかネロは何も言わずに楽しそうに見続けている。
(契約して力を簡単に得るのはダメだ。なら、なら──今、一瞬頭に思い浮かんだ事があるが良い方法があるかもしれない。でもこれは余りにも理不尽な状況になるかもしれない。でも、出来るならなんだってやるって決めただろ。なら、俺が考えている事が出来るか聞いてみるか)
話が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます