第4話

「これからの時間どう過ごそうか」


寝るには早いし外には出れない。

かといって何もする事がない。


「退屈だ…」


本当に何もする事がない。

少女の記憶の中にある知識を見てみるか?

この世界のことについてまだわからない事がたくさんあるからな。






記憶を辿っていくとこの少女の親がこの子に言い聞かせるように語っていたことを朧げだが覚えているみたいだ。


1.まずこの世界は地球と同じく朝に太陽が登り夜になると太陽が沈み月が登る。


2.1年は365日となっている。


3.魔素というのがこの世界の空気に含まれていて人間は空気と共に魔素を吸うことにより魔力を生み出す事ができる。


4.だが生み出す魔力はごく僅かとなっている。


5.魔法を使うには…どうするんだっけ?


「…重要な部分が抜けている」


すごく知りたい部分が…何故忘れているんだ?

異世界要素なのに…追々自分で方法を見つけるしかないか。

んで、あとなんか覚えている事はなんだろうか?

ステータスとかか?


「確か頭の中で『開示』と唱えれば良いんだっけ?という事で早速やってみようか!」


(『開示!』)


そうすると頭の中に言葉が浮かんでくるこれが所謂ステータスみたいなものらしい。


名前:レナ

性別:女

種族:人間

年齢:5

職業:なし

状態:なし

レベル:1

HP:2 MP:5

腕力:1 体力:1 俊敏:3

知力:5 魔力:3 器用:7

スキル

雑食:Lv2 執念:Lv5 気配遮断:Lv1

採取:Lv2精神耐性:Lv8 恐怖耐性:Lv3

病気耐性:Lv2 消化強化:Lv2

称号

転生者 孤児 死と生の狭間を体験せし者

草を喰らう者


こんな風に出てきた。

腕力と体力が絶望的だぜ…それに対して器用さが高いだと!?

なんて偏ったステータスなんだ…。

スキルについては、耐性系は多分前世?で殺された時に得たスキルをそのまま持ってきた感じかな?

あと執念とかも前世からか。

残りはこの世界に来てから手に入れたものか。

称号は『草を喰らう者』とか変なやつつけられてんな。

スキルと称号の詳細はどう見れば良いんだ?


どうやるんだかさっぱりわからない。

色々と試してみたが詳細を見る事ができない。


少し考えてみたが一つに見る対象を絞って強く見るという事を意識するというのはどうだろうか?

この方法はまだ行ってないはずだ。

という事で詳細を見てみようと思う。


雑食:Lv2 いろいろな物を食べやすくする。

執念:Lv5 自身の強い想いを達成するまで能力を大幅に強化する。

気配遮断:Lv1 自身の気配を気づかれなくする。

採取:Lv2 手でなどで取った素材の品質を下げずに入手できる。

精神耐性:Lv8 自身に精神的苦痛、攻撃に耐性ができる。

恐怖耐性:Lv3 自身に外的要因の恐怖に耐性ができる。

病気耐性:Lv2 自身にあらゆる病気に耐性ができる。

消化強化:Lv2 胃にある物を無駄無く消化できるようになる。


転生者:不完全な魂がなんらかの要因で記憶を残して生まれ変わった物の総称またこの称号は自身しか見れない。

効果:そ ん な の な い


孤児:孤立してしまった者

効果:無し


死と生の狭間を体験せし者:その者、死に近づき生に縋る体験をせし者。

効果:『執念』を取得する。


草を喰らう者:一定量の草を食べた者。正気か?

効果:『雑食』を取得する。


とまぁこんな感じだ。

転生者の説明がなんかなぁ不完全な魂ってさ。

あと草を喰らう者の説明に正気か?って馬鹿にしとんのか?

別に食べる物が他にあったらそっちを迷わず食べてますけど?


スキルに関しては結構使えそうな奴が多い。

恐怖耐性などの耐性系はLvを上げられるだけ上げといたほうが生存確率が高くなりやすそうだし。

特にスキル執念は俺の中で唯一戦闘中に発動出来そうなスキルだ。

この効果の大幅に強化するっていうのが何処まで強化されるのかわからないがただでさえ低い俺の能力を強化できるのだから一番重宝しそうだ。


にしても魔力はあるのに魔法が使えないとは。

これではもし戦うことになったら素手で戦うことになってしまうな。

まぁ一番は逃げることだがいつでも逃げれるとは限らないからな。


ん?俺が剣を持てば問題ないって?

剣なんてまず持てないし身長のせいで上手く使う事ができないだろう。

振り回すことぐらいしかできないだろうし振り回したら致命的な隙が生まれてしまうかもしれないからな。

まず腕力と体力が1しかないからまず重い物は持てないし。

小枝ぐらいは使えると思うが…。



「はぁ、魔法つかいてぇなぁ」


っと、そろそろ寝なきゃな。

明日も動かなければならないし。

魔法については…夜にでも考えるか。


「さてとあとするべき事はないな。寝よう」


そう言いながら俺はズタボロの布が何枚も重なっているベットに寝転びようやく転生初日を終えるのだった。

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