番外編2(2)

 黒ギャルの知人にお洒落とはなんなのか、メイクとはなんなのかを教えてもらい、できるだけあの子が私を恋愛対象として見てくれるようになりたいと、日課にしていた筋トレの回数を減らし、そのぶんの時間をメイクに費やした。


 サークルのメンバーにバレないよう、サークルに行く時だけはメイクをせず、筋肉も落ちていないように見せかけるために必死に練習をした。彼に教えるためだけにサークルに通った。


 そしてある日の事、私の試合を見に来てもらうために彼に着いてきてもらった。試合は満足のいく結果で終わり、私はこれでプロを諦めようと決心した。


 だが、彼は許してくれなかった。

 彼のためにプロを諦めて、彼のためにファッションを覚えて、彼のためだけに。そう動いたのに。


 一気に我慢していた気持ちが切れて、私は黒ギャルに教えてもらったメイクをバチバチに決めてプロは諦めると姿、形で教えるために「これが私」だと彼に伝えた。


 彼は凄く動揺したのか、私を受け入れてはくれなかった。


 彼は、彼は私を見てくれなかった。


 だから。私はある日決めた。そこら辺のホームレスを誘い込み、ストレス解消のため臭いオジサンたちに抱かれた。それが何故か心地良かった。


 私はこの瞬間あることを閃いた。


【私を受け入れなかった彼に、復讐するため、この抱かれている姿を見せてやろう】


 私はそう決めて、決行日。公衆トイレにオジサンを待たせておいて、彼を連れ待ち合わせの公衆トイレまで行った。そして私は彼に私が抱かれている姿を見せつけたが、予測していない事態が襲った。


 私が約束していたのは1人なのに大勢のホームレスが私を囲って、汚いモノを出し、そこから液体をかけてくる。でも私は彼に見られていると分かった瞬間すごく気持ちよくなってしまった。


 そして悲しそうな顔をする彼に言った。


「隠していてごめんね」


 彼はただただ涙を流した。私は復讐に成功した。すると再び予測していないことが起きた。そう警察が来てしまったのだ。


 私はこの計画を邪魔したやつがいると睨んだが、これ以上彼に踏み込むのは、ほんの少しの残っていた良心がやめろと叫びをあげた。


 これが私と、りくくんの最後。


 これが私。本当の私を見てくれないならそんな奴は要らない。

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