第14話 眠りを誘う理由
「もうそろそろ良いかな」
カタンと音を立てながら、ルカが食器棚の扉を閉める。すると、側でルカを見ていたサクラが大きな欠伸をした
「疲れたねー。みんなに内緒でおやつ食べよっか」
ウトウトとしていたサクラが、ルカの言葉に目を輝かせ肩に乗る。ルカが鼻唄混じりに、別の食器棚からお菓子を取り出そうと手を伸ばしたその時、突然グラッと目眩が起きて、バタンと床に倒れてしまった
「ルカ、大丈夫?」
慌ててサクラがルカの体を揺らし起こそうとするが、サクラもまたウトウトとし始めて、ルカの体に寄り添うように眠ってしまった
「アンズ、二人は息をしているか?」
ルカが倒れてすぐ家に来たカグヤが、ルカとサクラの体を触るアンズに問いかける
「ええ、気絶というか寝ているみたいね」
二人が息をしているのを確認したアンズが、安堵したのかふぅ。と深呼吸をすると、カグヤがルカ達から振り向き背を向けた
「なら、部屋まで運ぼう。二人とも運べそうか?」
「あなたの魔力なら二人なんて余裕よ」
カグヤの問いかけにアンズがクスッと微笑み答えると、ルカとサクラの手を掴むと、ふわりと体が浮きアンズに連れて行かれるように移動しはじめた。それを見てカグヤもキッチンから出ると、ちょうど起きて部屋から出てきたノドカと出会った
「あれ、カグヤ君、来てたの?」
欠伸混じりに声をかけたノドカ。すると、カグヤの後ろにいるルカに気づいて慌てて駆け寄る
「どうしたの?」
「キッチンで倒れていた。部屋まで運ぼうとしていた所だ」
「そう……。ならアカリの部屋に運ぼう」
そうノドカが言うと、アカリの部屋がある方へと歩きだす二人。ノドカが部屋の扉を開けると、ルカを連れたアンズが一番最初に入り、そーっとルカとサクラをベッドに寝かせると、ふぅ。と深呼吸をして、部屋の入り口にいたカグヤの肩に乗っかった
「どう思う?」
同じく部屋の入り口で見ていたノドカがカグヤに問いかけると、カグヤがふぅ。とため息ついた
「ミナモとモナカも寝ているのなら、本棚の影響だろうとは思うが……」
「やっぱり、そうだよね……」
カグヤの言葉に苦笑いをしながらノドカがそう返事をすると、ルカを起こさないように、ゆっくりと扉を閉め、リビングに行こうとした時、話し声が聞こえて来たミツキが二人に近づいてきた
「あれ、ミツキも来たの?」
「アカリが様子を見てこいって言うから……。何かあった?」
「ルカくんが倒れててね。さっき、カグヤ君達と部屋に運んだところ」
そうノドカがミツキに話していると、カグヤがリビングに入ると、ソファーに座り、アンズがテーブルに置かれていたお菓子に手を伸ばした。その様子をボーッと見ていたミツキに、ノドカが背中をポンッと軽く叩いて微笑んだ
「さてと、二人もお腹空いたでしょ?ご飯作ってくるから、ミツキもリビングで待ってて」
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