第四章〜殺戮の果て〜

【罠〜三井華菜未〜】


同窓会で教師が生徒を毒殺…


同窓会場のあるホテル…私のバイト先はあっという間に大騒ぎ。

でも、私はもう退勤時間だから帰るけどね。


帰る支度をして、私はあえて騒つく会場の近くを通って帰ろうとする。


(私は成人式が終わってすぐ、家に帰り、着替えてこのバイト先に来た。同窓会には元々出るつもりはなかったし、それに私が出ていたら、あの男子3人にいじめられていた私も容疑者にされかねないから。雪村梅花が復讐に加担してくれて助かった。)


会場の近くを通った時、

最後のターゲット2人と目が合った。

いや、私はあえて目を合わせた。

私に近づいてくる2人。


いじめを始めた悪の根源。

最も死ぬべき女たち。


「あんた、ちょっと良い?」


私に近づいてきた女…前島 貴亜(マエジマ キア)が小さい声で私に言った。


「なんでしょうか?お客様。私はもう退勤したのでスタッフお呼びしましょうか?」


「とぼけんなよ。お前、三井だろ?」


こっちが退勤したにも関わらず接客してやったのに、もう1人の女…後中 麗羅(アトナカ レイラ)は私を睨みつけた。


多分、ハナカと私をいじめた男子3人を殺した犯人は私だと勘付いているのだろう。

でもそれって、いじめをしてたっていう自覚があるって事だよね?


「すみません。個人情報はお教え出来ませんので。では。」


そう言い残し、私はその場を立ち去った。


挑発は大成功。


私はホテルの外に出た瞬間から少し早歩きになり、そして走り始めたのだが、あの2人は案の定私の後を追いかけてきた。

(監視カメラは白崎龍鋭がハッキングしてくれている。)


私はあの2人が完全に私を見失わないように逃げる…いや、誘き寄せる。


人気のない道を走って走って、そして、海の近くに沢山ある倉庫の1つに入った。


「建物に入るなんて馬鹿だなお前!もう逃げれねーからな!」


そう言って前島は倉庫の鍵を閉めた。

それが、『墓穴を掘る行為』だとも知らずに…


「出てこいよ!隠れたって無駄だからな!」


そう言って私を探し始めた後中と前島。


2人が私より出入り口に遠い場所に行った時、私は隠れるのをやめた。


「どこ探してんの?ここだよ。」


馬鹿にしたような口調で言った。


「あんたさあ…よく平気な顔してられるよね…」


後中が涙目になりながら言った。


「何が?」


「同級生3人死んだんだよ?2年の時アンタも同じクラスだったでしょ?!何とも思わないの?!」


あーあ、汚ったない泣き顔だな…

でもさ、自分の悪事を棚に上げて泣く権利なんて無いんじゃないの?


「はぁ?何とも思わないに決まってんじゃん?あんなゴミ死んで当然。先生が仇とってくれてスカッとしたけど?」


「ソウタをゴミって言うなあああああっ!」


汚い叫び声をあげて私に飛びかかってきた後中。

私は隠し持っていた包丁で後中の頬をシャッと切った。


「いっ…いやああああああ!!!」


頬を手で押さえ、その場にうずくまる後中。

それを見てへたり込む前島。


「今度私に何かしようとしたらこんなものでは済まないからね?」


顔が血まみれになった後中と硬直している前島を見下し、脅した。





さて、刑執行の時間だ…



【刑執行】


「草津 莉英香。剣持 藍那。榊ヶ丘 創太。木嶋 陸斗。滝山 勝介。前島 貴亜。後中 麗羅。…今言った奴らの共通点分かる?」


包丁で脅しながら、後中に尋ねる。


「い…一軍……」


「は?」


「一軍…の…い、いじめ…」


「は?」


「いじめっ子っ……」


「誰をいじめた?」


「あ…あんたと…三井 花那香…」


「誰を殺した?」


「こ…殺しては…殺してはない…」


殺してない…?

笑わせるな…


私は後中の顔面を蹴って倒し、包丁でアキレス腱を滅多刺しにした。


グサッグサグサグサ…


「ぎゃああああ!!!」


「ハナカが自殺したのはお前らの所為だろ?殺したのとどう違うんだよ?なぁ?」


滅多刺しにした後中の足は汚い穴だらけ。

後中は汚い声で泣き叫んでいる。


「い、いやぁっ!」


隙を見て逃げようとした前島。しかし、私は素早く彼女に飛びかかり、後中と同じようにアキレス腱を滅多刺しにした。


これで2人とも動けない。


「あんたさぁ、今後中置いて自分だけ逃げようとしたよね?…ぷっ…あははははは!笑えるよ本当!流石、人をいじめるクズなだけあるわね!」


そう言って私は、今度は前島の両手両腕を滅多刺しにした。

汚い叫び声をあげながら前島はその場でのたうち回っている。


後中の方を見ると、彼女は漏らしていた。

汚い…

そう思いながらも私は後中を押し倒し、首に包丁を当てた。


「や、やめてよ…もう昔のことでしょ?それに、いじめなんて中学生なんだから仕方ないじゃない…謝るから…謝るから許し…」


メリメリメリメリメリメリ


私は包丁で後中の煩い口を裂いた。

不気味な呻き声をあげる汚い女。

心も体も醜い女…


「許すわけないでしょ?私にした事だけでも十分許されない罪なのに…ハナカにした事が許されるわけないでしょ?あんたは…あんた達は…ハナカよりもっと酷い目にあって、醜い姿で死んでいくしかないの!」


グサッ


肩。


グサッ


腕。


グサッ


手首。


グサッ


腹。


グサッグサッグサッグサッ


後中の身体中を滅多刺しにする私。

汚い悲鳴をあげ、やがて意識を失いかける後中。

私はこの汚く醜い穢れた女の心臓に、包丁を思いっきり突き立てた。


グチャ


「ゔっ…ゔえええええっ」


振り向くと、前島が嘔吐していた。


そろそろメインイベントを始めますか…


心臓を突き刺した後中はもう息絶えていた。

私は汚い後中の死体から衣服を全て剥ぎ取った。


「ねえ…」


「ひっ……!?」


「あんたさぁ…ハナカのこと『料理する』とか言って生ゴミとかトイレの水とかで汚したんだって?」


私は後中の死体を切り刻みながら前島に問う。後中の腹部はパックリと割れ、肋骨と内臓が露わになった。


「ゔえっ…」


「フフフフ…やっと出来た…」


自分でも異常だと思ってしまうほど不気味な声で笑いながら私は、後中の心臓を抉り取った。


「ほら、あんたの好きな『料理』を食べさせてあげる。口開けて…」


血塗れの心臓を、前島の方へ持っていく私。

逃げようとしても四肢をズタズタにされて、上手く動けない前島。

惨めな前島の髪を思いっきり掴んで、彼女の口の中に後中の心臓を突っ込んだ。


「ゔゔゔゔっ」


「ほら、食べなよ?ハナカにした事へのお返しだよ?」


吐き出そうとする前島に負けないように、私は手に力を込める。

後中の心臓はぐちゃぐちゃに潰れていく。


「ごくっ…んっ…ゔゔゔぅ…」


ようやく一部を飲み込んだ前島は、再びえずいた。


「げほっ…うえぇ……あ、あんた…」


私を睨みつけ、前島は言った。


「何で今になってこんな事するのよ…レイラとソウタは付き合ってて…来月のバレンタインの日に結婚する予定だった……私だって…充実した大学生活送って毎日幸せだった。これからもずっと幸せでいるはずだった!なのに…」


ドガッ


腑が煮えくり返った私は、前島の顔面を強く蹴った。

そして、倒れた前島の胸倉を掴み、首筋に包丁を当てた。


「ハナカだって成人式を迎えられるはずだった。ハナカだって充実した学校生活送れるはずだった。ハナカだって笑っていられるはずだった。ハナカだって……



幸せになれるはずだった…!」


「…で、でも、三井花那香は自分で死んだんでしょ…どんな理由があっても、自分で自分を殺したのはあいつじゃない!そうよ…あいつを殺したのは私たちじゃない!私たちのせいじゃないっ…」


シャッ


支離滅裂な屁理屈を並べる前島の頬を、包丁で切り裂いた。

こいつはどこまでしぶといんだろう?神経どうなってるんだろう?


「何すんのよおおおお!」


この期に及んでまだ逆ギレするなんて…

本当、いじめっ子はいくつになってもゴミクズのまま。


「痛い?痛いよね?でも、ハナカはそんなのの何億倍も痛くて苦しかったんだよ?あんた達のせいで…!」


ドサッ


前島を突き飛ばし、再び後中の方へ歩く私。

後中の死体を引きずり、前島の側へ持って行く。


「ひぃっ…」


内臓剥き出しの死体を見て再び悲鳴を上げた前島。

私はそんな前島の頭を鷲掴みにして、剥き出しになった後中の腹部に、前島の顔面を突っ込んだ。


ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ


抵抗しようとする前島を押さえつけて、私は彼女の頭を、後中の体内の奥深くまで押し込む。


「あんたさぁ、草津にハナカの頭トイレに突っ込ませたんだって?なら自分がこんな事されても文句言えないよねえ?」


顔を上げようともがく前島。

ドタドタと暴れる体が邪魔臭い。


私は片手で前島の頭を押さえつけながら、もう片方の手で包丁を持ち、背中に突き立てた。




ぐったりとした前島を後中の死体から引き剥がし、私は前島を殺そうとした。


「や、やめ…やめてよ…悪かった…私が悪かったから……謝る…ごめん…許し………


もう時効でしょ……」



時効…?

ここまでされても自分を守る事しか考えないゴミ女。

ハナカに心から謝り懺悔する事が出来ない生きる価値のない廃棄物。


「あは…あははは…あーっはははははは!

馬鹿にも程があるクズにも限度がある…



時効なんて、あるわけないでしょ?



あんたがいくらほざいたところでハナカはもう戻らないあんたがいくら謝ったところでハナカはもう生きてないあんたがっ…あんた達がいくら「過去の事だ」って屁理屈言ったところでハナカにはもう一生会えないんだよっ…!」




私は、怯えた目でこちらを見つめる前島の顔面を滅多刺しにして、最後に脳味噌と心臓に包丁を突き刺した。







その後、

予定通り倉庫に放火した後、私は隠していた裏口から抜け出し、そこに待機していた白崎龍鋭のバイクの後ろに乗り逃走した。

それより先の事はあまり覚えていない。

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